リトープスの育て方は難しい?夏冬の管理と植え替え完全ガイド

リトープスの育て方は難しい?夏冬の管理と植え替え完全ガイド

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リトープスの育て方は難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。宝石のような美しい見た目に魅了されて育て始めたものの、枯れる経験をしてしまった方もいるかもしれません。リトープスを育てるコツは、実は生長サイクルに合わせた水やりと日当たり管理にあります。

リトープスを室内で育てる場合でも、適切な環境を整えれば初心者の方でも十分に栽培可能です。開花時期には可憐な花を楽しめ、増やし方をマスターすれば株分けや種まきで株を増やすこともできます。植え替えや寄せ植えのタイミングを理解すれば、より充実した栽培が楽しめるでしょう。

この記事では、リトープス栽培で失敗しないための基本から応用まで、確かな情報をお届けします。

  • リトープスが枯れる主な原因と、季節ごとの正しい水やり方法
  • 室内での日当たり管理と温度調整のポイント
  • 脱皮・開花・休眠期の生長サイクルに合わせた育て方
  • 植え替えや株分けなど、ステップアップした栽培テクニック
目次

リトープスの育て方は難しい?初心者が知るべき基本

リトープスの育て方は難しい?初心者が知るべき基本

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  • リトープスとは?特徴と種類
  • リトープスを育てるコツは?
  • リトープス 育て方 室内での管理方法
  • 開花時期と花の楽しみ方
  • 葉がしわしわになるのはなぜですか?
  • リトープスが枯れる原因と対策

リトープスとは?特徴と種類

リトープスは、南アフリカやナミビアといった岩砂漠地帯を原産とする、ハマミズナ科・リトープス属の多肉植物です。学名は「Lithops」といい、生きた宝石とも呼ばれるほど美しい見た目が特徴的な植物といえます。

高さは2〜3cm程度が一般的で、大型品種では5〜7cmほどになるものもあります。コロンとした丸みを帯びた独特のフォルムをしており、一般的な植物のように枝や葉がついているわけではありません。葉と茎が球状になるほど多肉化している点が大きな特徴です。石ころと並んでいれば植物であることを見間違える可能性があるほど、自生地での擬態性能に優れています。

上面には透き通った部分があり、まるで天窓のような働きをして光合成を行います。自生地ではこの上面だけが地表から露出し、側面の部分は石や砂利に埋まっているのです。動物の食害から身を守るため、岩などに擬態する形に進化したといわれています。

リトープスの主な種類

市場に流通しているだけで40種、品種にすると150以上が存在するといわれるほど、リトープスには多様な種類があります。品種によって模様や色が大きく異なるため、コレクション性が高く人気があるのです。

品種名 特徴 花の色
網目寿麗玉 白色から翡翠色で薄い網目状の模様
麗虹玉 オリーブグリーンの胴体に茶色の模様 黄色
紫勲玉 上面が透き通って見える、緑色からベージュ
日輪玉 直径7cmほどの大型品種、茶色のまだら模様 黄色
紅大内玉 濃いピンク色で上面は赤紫色
オリーブ玉 淡い緑色の肌が美しい 黄色

品種によって緑色のものや褐色のもの、ピンク色のものなど色彩が豊かで、上面にはまだら模様が入っています。形や色、模様も異なるため、複数の品種を組み合わせてお気に入りのコレクションを作る楽しみ方もあるでしょう。

リトープスは別名として「イシゴロギク(石塊菊)」「象の鼻」「豚の鼻」とも呼ばれ、それぞれ独特の見た目から想像できるネーミングです。メセン類の総称として呼ばれることもあり、リトープスとコノフィツムが代表格といわれています。

リトープスを育てるコツは?

リトープス栽培の最大のコツは、生長サイクルに合わせた水やりと日当たり管理を徹底することです。一般的な観葉植物とは異なる管理方法が必要になるため、この点を理解しておくことが成功への近道といえます。

リトープスの生長期は秋から冬にかけての期間で、特に10月〜12月頃が最も活発に育つ時期です。この期間は日当たりのよい場所に置き、土が完全に乾いてからたっぷりと水やりをします。ただし、冬から春にかけての1月〜5月頃は脱皮期に入るため、水やりを徐々に控え、3月〜5月は断水が基本となるのです。

一方、6月〜9月は休眠期となり、水を完全に断つ必要があります。休眠期に水を与えてしまうと、株が腐って溶けてしまう危険性があります。

リトープス栽培で押さえるべき3つの基本

  • 生長期と休眠期で水やり方法を明確に変える
  • 日当たりのよい場所に置き、十分な光を当てる
  • 水はけのよい土を使用し、高温多湿を避ける

土の環境作りも育て方のコツとして欠かせません。乾燥地帯に自生するリトープスは、水はけのよい土を好みます。多肉植物やサボテン専用の土が栽培に適しており、可能な限り細かいものを選ぶとよいでしょう。

自分で配合する場合は、赤玉土(小粒)と鹿沼土(小粒)を4対4ほどで配合し、残りの2にはもみ殻くん炭やバーミキュライト、真砂土などを混ぜ合わせます。水はけを意識して微調整すれば、より理想的な土壌環境が整うでしょう。

風通しのよい場所に置くことも大切です。高温多湿なところに無風状態で置いていると、株が腐ってしぼんでいくため注意が必要になります。風通しが悪いと病害虫の発生原因にもなるため、適切な場所選びを心がけましょう。

リトープス 育て方 室内での管理方法

葉がしわしわになるのはなぜですか?

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リトープスを室内で育てる場合、最も重要なのは日当たりの確保です。窓際の日光が十分に当たる場所を選びましょう。秋から冬にかけての生長期はできるだけ直射日光が当たる環境を整えることが望ましいといえます。

栽培に適した気温は8〜25℃です。外気温が5℃を下回る冬の時期は、必ず室内に入れるようにしましょう。真夏の35℃を超える気温は生長が鈍くなるため、この時期の室内管理では特に風通しに注意が必要です。

室内管理で陥りがちな失敗が、日光不足による徒長です。徒長とは園芸用語で、日光不足や栄養不足などが原因で茎が細長くヒョロッとした見た目になることをいいます。

徒長した株は病弱で、暑さや寒さの環境変化に弱く、病害虫の耐性も低下してしまうのです。

室内栽培での注意点

生長期の10月〜11月頃から開花することもありますが、花がヒョロッと細長い場合は日光不足が原因です。株自体も間延びして生長を続けると、自重で倒れてしまう可能性があります。一度徒長すれば元には戻らないため、日光のよく当たる場所に移動させ、脱皮して新しい株が生長するのを待つしかありません。

前述の通り、リトープスの上面は側面とは異なり透き通っており、まるで天窓のような働きで光を取り込んで光合成をします。この特徴から、上面にしっかりと日光が当たるように置き方を工夫することが大切です。

置き場所については、季節によって調整が必要になります。生長期である秋から初冬は日当たりのよい窓際に置き、日光を十分に当てるようにしましょう。一方、休眠期である6月〜9月の夏場は、涼しい場所に移動させます。この時期は直射日光を避け、半日陰がベストです。

室内では自然な風が入りにくいため、扇風機やサーキュレーターを活用して空気の循環を促すことも効果的です。特に夏場は高温多湿になりやすく、無風状態では株が腐る危険性が高まります。弱い風でも継続的に当てることで、健康的な生長環境を維持できるでしょう。

開花時期と花の楽しみ方

リトープスは年に1度、株の割れ目から花を咲かせます。開花時期は品種によって多少異なり、10月〜1月頃が一般的です。市販されている多くの品種は、10月〜11月頃に開花するものが多いといわれています。

花の色は白、黄色、ピンク、オレンジといったメセン(女仙)の名にふさわしい女性的なカラーです。花弁は細く、マツバギクやタンポポなどキク科の花によく似た形状をしています。朝明るくなると開花して、日が落ちて暗くなってくると花は閉じる性質があるのです。

開花期間は数日から1週間程度で、1つの頭(葉のペア)につき1輪の花が咲きます。ただし、株が複数の頭を持つ場合は、それぞれの頭から1輪ずつ花が咲くため、結果的に複数の花を楽しめることもあるでしょう。リトープスが脱皮して新たな株に生まれ変われば、再び開花のチャンスが訪れます。

花言葉は「こよなき魅力」

リトープスの花言葉は「こよなき魅力」です。独特の見た目はまさに魅力的で、この花言葉がぴったりと当てはまります。また、擬態という特徴から「用心深さ」という花言葉もあります。

花が咲き終わった後の管理も重要です。花茎は脱皮したあとに枯れますが、花びらは早々に枯れてしまいます。枯れた花びらをそのまま放置していると、株にへばりついてシミになる恐れがあるため注意が必要です。

シミがつくとせっかくの美しい景観が台無しになるため、枯れてしまった花びらは放置せず早めに取り除きましょう。株の健康を保つためにも、開花後の手入れを丁寧に行うことが大切です。

葉がしわしわになるのはなぜですか?

葉がしわしわになるのはなぜですか?

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リトープスの葉がしわしわになる現象は、時期によって正常な状態である場合と、トラブルのサインである場合があります。まず理解しておきたいのは、季節ごとの生長サイクルによって葉の状態が変化するという点です。

真夏の休眠期にしわしわになるのは正常な反応です。6月〜9月の夏場は休眠状態にあるため、完全に水を断ちます。この時期はしわしわになり、水が足りていないのではないかと心配になるかもしれません。しかし、リトープスは高温多湿が苦手であるため、むしろ水を与えないことが正しい管理方法なのです。

脱皮の時期である3月〜5月頃も、外側の葉がしおれていくためしわしわに見えます。これは中から新しい芽が生長してくる過程であり、まさに脱皮しているかのような状態です。脱皮中の子株は親株の水分を吸収しているため、水やりは必要ありません。

注意が必要なしわしわの状態

生長期である秋から冬にかけてしわが目立ち始め、水を与えても吸収しない場合は要注意です。この状態は根腐れなどのトラブルの可能性があります。健康な状態では、リトープスの表面はぷっくりとハリがあるはずです。

日光不足が原因でしわしわになることもあります。暗い場所に長期間置いていたなどで十分な光合成ができない場合、株が弱ってしわが目立つようになるのです。この場合は、十分に日が当たる場所に移動させることで改善が期待できるでしょう。

夏場の急激なしわしわへの対処

夏の強い直射日光によって急激にしわしわになった場合は、例外的な対処が必要です。6月ともなると日差しが強くなり、直射日光半日でしわしわになることがあります。このまま放置すると枯れてしまう恐れがあります。

この場合は、すぐに風通しのよい半日陰に移動させ、ごく少量の水を与えることで数時間〜半日ほどで復活することがあります。ただし、これはあくまで緊急時の対処であり、基本的には夏場の断水を守ることが重要です。たっぷりと水を与えすぎると、かえって腐敗の原因になるため注意しましょう。

水やりのタイミングを見極めるためにも、リトープスの表面の状態を日々観察することが大切です。正常なハリのある状態を覚えておき、しわが目立ち始めたら季節や最後の水やり時期を確認して、適切な対応を取りましょう。

リトープスが枯れる原因と対策

リトープスが枯れてしまう最大の原因は、水やりの失敗です。特に真夏や脱皮中に水を与えすぎてしまうと、株の内部がブヨブヨになり、皮だけ残して溶けたようになくなってしまいます。水分を乾燥できないと腐って溶けてしまうのです。

高温多湿な環境もリトープスにとって大敵といえます。夏場は休眠状態にあり、完全に水を断つ必要がありますが、さらに風通しのよい涼しい場所に置くことも重要です。無風状態で高温多湿なところに置いていると、腐ってしぼんでいきます。

枯れる原因 症状 対策
水の与えすぎ 株がブヨブヨになり溶ける 季節ごとの水やり管理を徹底する
高温多湿 株が腐ってしぼむ 風通しのよい場所に置き、夏は断水
日光不足 徒長して倒れる 日当たりのよい場所に移動
根腐れ 水を吸収しない 植え替えて傷んだ根を除去
低温 株が凍結してダメージ 5℃以下では室内管理

根と鉢の関係

根腐れも枯れる原因として多く見られます。水はけの悪い土を使っていたり、深さのない鉢で根が底についてしまったりすると、根腐れを起こしやすくなるのです。

リトープスの根は下にまっすぐ太く伸びているため、深さのある鉢を選ぶことが重要です。土は上面から徐々に乾燥していき、鉢の底の方は乾燥が遅くなります。鉢の底に根がついてしまうと根腐れの危険性があるため、十分な深さを確保しましょう。

ただし、大きすぎる鉢も適していません。リトープスに対して鉢が大きすぎると、土の乾燥に時間がかかり必要以上の水分を含んでしまいます。これもまた根腐れの原因となるため、株のサイズに合った適切な大きさの深鉢を選ぶことがポイントです。

病害虫による被害も見逃せません。軟腐病やネジラミ、ナメクジ、バッタ類の食害などがリトープスを枯らす原因になります。風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなるため、予防としても通気性のよい環境を維持することが重要です。

低温による枯れにも注意が必要です。外気温が5℃を下回る季節は、必ず室内の環境下で育てましょう。リトープスは寒さにある程度耐性がありますが、極端な低温は株にダメージを与え、枯れる原因となります。

購入時の株選びも、その後の生育に大きく影響します。ぷっくりとハリがあるものを選び、傷がついているものや明らかに細長く徒長しているものは避けましょう。健康な株を選ぶことが、枯らさずに育てる第一歩です。

リトープスの育て方が難しいと感じる理由と解決策

リトープスの育て方が難しいと感じる理由と解決策

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  • 育て方 夏の管理ポイント
  • 冬越しの注意点
  • 植え替えの適切な時期と方法
  • 増やし方のコツ
  • 寄せ植えする際の注意点

育て方 夏の管理ポイント

夏場の管理は、リトープス栽培において最も難しいとされる時期です。6月〜9月は休眠期にあたり、この時期の管理方法を誤ると株を枯らしてしまう可能性が高まります。

真夏の時期は完全に水を断つことが鉄則です。休眠状態にあるリトープスに水を与えてしまうと、高温多湿の環境下で株が腐って溶けてしまいます。しわしわになって心配になるかもしれませんが、これは正常な状態であり、むしろ水を与えないことが正しい管理といえます。

前述の通り、休眠期の夏場は水をやらずに涼しい場所に置きます。直射日光は当てず、半日陰がベストな環境です。軒下管理や明るい日陰など、強い日差しを避けられる場所を選びましょう。

夏場の管理で押さえるべきポイント

  • 6月〜9月は完全断水を徹底する
  • 直射日光を避け、涼しい半日陰に置く
  • 風通しを確保し、高温多湿を避ける
  • 室内管理の場合は扇風機やサーキュレーターを活用

風通しの確保は夏越しの成功を左右します。高温多湿なところに無風状態で置いていると、腐ってしぼんでいく危険性が高まるためです。屋外であれば自然な風が期待できますが、室内管理の場合は扇風機やサーキュレーターを使って空気を循環させることが効果的になります。

梅雨時期の管理にも気を配りましょう。梅雨入りすると多肉植物には危険なシーズンになるため、雨には当てたくありません。軒下に移動することで雨を避けられます。6月末に梅雨明けしても、7月中旬は戻り梅雨ではっきりしない天候が続くこともあるため、継続的な注意が求められるのです。

夏場の飾り石に工夫を加える方法もあります。白い飾り石(ゼオライト)を使用することで、多少なりとも高温対策になるという方法です。少しでも株への負担を軽減する工夫として試してみる価値があるかもしれません。

冬越しの注意点

冬場はリトープスにとって生長サイクルが進行する時期です。ただし、水やりはかなり控えめにする必要があり、温度管理を誤ると株にダメージを与えてしまうため、適切な環境を整えることが大切になります。

外気温が5℃を下回るような季節は、必ず室内の環境下で育てます。リトープスは寒さにある程度の耐性がありますが、極端な低温は株を傷める原因となるのです。真冬の時期は室内のなるべく日当たりのよいところに置き、十分な光を当てるようにしましょう。

冬場の水やりは、土が完全に乾ききったタイミングで行います。土が乾いてきてからたっぷりと水やりをしますが、土が乾く前の水やりは過剰となるため注意が必要です。生長サイクルが進む時期ではあるものの、水の与えすぎは根腐れの原因になります。

冬場の水やりの見極め方

土の表面だけでなく、鉢を持ち上げて重さを確認することも有効です。水分を含んでいる土は重く、完全に乾いた土は軽くなります。触って確認するだけでなく、重量でも判断すると失敗が減るでしょう。

冬場でもしわが目立つようなら、暖かい日を選んで軽い水やりをします。ほぼ断水に近い管理をしている場合でも、株の状態を観察して柔軟に対応することが重要です。ただし、寒い日に水やりをすると土が凍結する恐れがあるため、必ず暖かい日の午前中に行いましょう。

なぜ夏は完全断水なのに冬はしわしわの時に少量の水を与えてもよいのかというと、夏の高温多湿下での水やりは腐敗リスクが非常に高いのに対し、冬の低温下では土が比較的早く乾き、少量であれば安全性が高いためです。

暖房の影響にも気をつける必要があります。室内で暖房を使用している場合、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。乾燥しすぎたり、急激な温度変化が起きたりして、株にストレスを与える可能性があります。

日照時間が短くなる冬は、できるだけ長時間日光に当てることを意識します。窓際の最も明るい場所を確保し、レースカーテン越しではなく直射日光が当たる環境を整えることが望ましいといえます。日光不足は徒長の原因となるため、冬場でも日当たりには十分な配慮が必要です。

夜間の冷え込みが厳しい地域では、窓際から少し離した場所に移動させることも検討しましょう。窓ガラス付近は外気の影響を受けやすく、朝方には5℃を下回る可能性があります。昼間は窓際、夜間は部屋の中央寄りといった移動を行うことで、温度変化を和らげられるでしょう。

植え替えの適切な時期と方法

植え替えの適切な時期と方法

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リトープスの生長はゆっくり進んでいくため、基本的に植え替えは数年に一度で十分です。頻繁に植え替えを必要としない点は、初心者の方でも育てやすいポイントといえるでしょう。

植え替えのタイミングは、株が大きく生長して鉢の中がぎゅうぎゅうになってきた時です。また、株が混み合ってきたら配置を変えるためにも植え替えを行います。無理に毎年植え替える必要はなく、株の状態を見て判断することが大切です。

植え替えの時期は開花後の11月頃が適しています。鉢植えからリトープスを引き抜きますが、他の植物のように根を張っていないため簡単に抜けるはずです。根っこをよく観察し、痛んだものがあれば取り除きます。枯れた葉っぱなども同時に取り除きましょう。

植え替えの手順

  • 開花後の11月頃に作業を行う
  • 株を引き抜き、傷んだ根や枯れた葉を除去
  • 1週間ほど陰干しして乾燥させる
  • 新しい土に植えつける
  • 植えつけ後1週間は水やりを控える

根の整理が終わったら、1週間ほど陰干して乾燥させてから植えつけします。この乾燥期間は、根の切り口を癒やし、植えつけ後の根腐れを防ぐために重要な工程です。焦らずに十分な期間を取りましょう。

植えつけの際は、自生地では上面しか出ていませんが、日本は高温多湿な環境下であるため、土に本体部分が1〜2cm程度埋まっていれば十分です。深く埋めすぎると蒸れの原因になるため注意しましょう。

前述の通り、リトープスの根は下にまっすぐ太く伸びるため深さのある鉢を選び、同時に大きすぎない適切なサイズを選ぶことがポイントです。株のサイズに合った深鉢を使用することで、根腐れのリスクを軽減できます。

植え替え後の管理にも注意が必要です。植えつけ後すぐに水やりはせず、1週間以降に行いましょう。土がしっかりと乾くまで水やりは厳禁です。この期間を守ることで、根がしっかりと活着し、健康な生長が期待できます。

増やし方のコツ

リトープスを増やす方法には、株分けと種まきの2つがあります。どちらの方法も見極めやタイミングが重要になるため、初心者の方には難易度が上がる作業といえるでしょう。

株分けでの増やし方(中級者向け)

株分けは、2年に1度のサイクルで新しく育った子株が二つに分かれる(分頭)ことを利用した増やし方です。脱皮したあとに株分けができますが、無理矢理に剥がすことは避けましょう。株にダメージを与えてしまう可能性があります。

株分けの時期は秋頃に行います。株がつながっているものは、両方に根が残るようにして分けることが重要です。はさみを使用してもかまいませんが、必ず両方に根が残るように切り分けないと、一方だけしか根が出ず生長しません。

株分けできるかの判断基準

株分けができるかできないかの目安は、割れ目にはさみが入るかがポイントです。はさみが入れられないほど割れ目が浅いものは無理せずに、来年以降に株分けすることをおすすめします。

種まきでの増やし方(上級者向け)

種まきで増やす方法は、さらに手間がかかる長期戦の作業です。リトープスから種を採取するには、複数の株を一緒に育てる必要があります。1株だけでは自家受粉できないため、最低でも2株以上を用意しましょう。

受粉すれば花後に莢が形成されますが、種子が完全に成熟するまでには約8〜9ヶ月ほどかかります。実がぷっくりしてきて褐色になり、完全に乾燥した状態になれば実を採ります。リトープスの種は粉のように小さい粒で、中から200〜300粒ほど取り出せるのです。

取り出した種は水分が厳禁であるため注意が必要です。一旦日陰で干して乾燥させます。種まきの時期は9月〜11月であるため、時期が来るまでは冷蔵庫に保管しておきましょう。湿気を避け、密閉容器に入れて保存することが大切です。

種まきの方法と管理

種まきは9月〜11月頃、リトープスの生長が始まる時期に行います。できるだけ細かい土に種をまき、ふるいにかけてもよいくらいの細かい粒が理想的です。種まきしたら、上に軽く土をかぶせておきます。

種まきしたあとは、土が常に湿った状態にしておけるよう水やりします。通常の管理とは異なり、発芽までは湿度を保つことが重要です。発芽を確認し、苗がある程度しっかりしてから水分量を徐々に減らしていきます。

その後は乾燥に適応させていくため、霧吹きなどで水を与える方法に切り替えましょう。株が形成され1年ほど経過すると、しっかりと子株が育ちますので鉢上げします。種から育てる場合は開花まで数年かかるため、長期的な視点で栽培を楽しむことが大切です。

寄せ植えする際の注意点

寄せ植えする際の注意点

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リトープスの寄せ植えは、複数の品種を組み合わせることで宝石箱のような美しい景観を作り出せます。色や模様が異なる品種を選ぶことで、観賞価値の高いコレクションが完成するでしょう。

寄せ植えで最も重要なのは、組み合わせる植物の選定です。リトープスは水やりが基本的にほとんど必要なく、脱皮や夏は水やりを控えなければなりません。また、根が弱いため肥料についても注意が必要になります。

寄せ植えで避けるべき組み合わせ

他の草花を交えた寄せ植えには適していないといえます。水やりの頻度や肥料の必要量が大きく異なるため、リトープスが枯れてしまう可能性が高まります。できるだけ同属かつ生育サイクルが同じ多肉植物を選んだ方がよいでしょう。

寄せ植えの時期は、生長期である10月〜3月頃が適しています。できるだけぷっくりと元気な苗を選んでください。傷がついているものや徒長しているものは避け、健康な株を選ぶことが成功の秘訣です。

前述の通り、リトープスの根は下に伸びるため、ある程度の深さがある鉢を選びつつ、大きすぎない適切なサイズを選ぶことが重要です。土は水はけのよいものを選び、多肉植物専用土を使用するのが簡便です。

自分で配合する場合は、赤玉土小粒2、鹿沼土小粒2、ピートモス2、くん炭2、川砂2のような組み合わせの混合土が望ましいといえます。水はけを重視した配合を心がけましょう。

寄せ植えの手順

鉢の底に鉢底ネットを敷いて鉢底石を入れ、土を3分の1程度入れます。レイアウトを決める際は、根が傷まないように気をつけてください。苗を鉢から出して余分な土をそっと解します。

苗を植えていく際は、高さがある物から植えて中心から埋めていくのがコツです。土を隙間に入れながら高さ調整し、鉢の縁から2〜3cmまで土を入れます。割り箸で隙間を埋めるように土を押して、しっかりと固定しましょう。

植えつけ後の水やりは1週間以降に行います。土がしっかりと乾くまで水やりは厳禁です。この期間を守ることで根の活着が促され、美しい寄せ植えを長く楽しめるようになります。

株が大きく生長して混み合ってきたら、配置を変えるために植え替えを検討しましょう。ただし、真夏の時期は根を触りたくないため、秋まで待つことをおすすめします。問題がなければそのまま育て、適切な時期に作業を行うことが大切です。

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総括:リトープスの育て方は難しい?夏冬の管理と植え替え完全ガイド 

  • リトープスは南アフリカやナミビア原産の多肉植物で、宝石のような美しい見た目が特徴
  • 市場には40種以上、品種では150以上が存在し、色や模様のバリエーションが豊富
  • 育て方のコツは生長サイクルに合わせた水やりと日当たり管理を徹底すること
  • 生長期は主に10月〜12月頃で、冬〜春は脱皮期のため水やりを控える
  • 休眠期である夏場は完全断水し、涼しい半日陰に置くことが重要
  • 脱皮の時期である3月〜5月は水やりをストップする
  • 室内栽培では窓際の日当たりのよい場所を選び、徒長に注意
  • 開花時期は10月〜1月頃で、1つの頭につき1輪の花が数日〜1週間咲く
  • 夏場のしわしわは正常な状態だが、生長期に水を吸収しない場合は根腐れの可能性
  • 枯れる主な原因は水の与えすぎと高温多湿による腐敗
  • 外気温5℃以下では必ず室内管理に切り替える
  • 植え替えは開花後の11月頃に行い、数年に一度で十分
  • 株分けは中級者向け、種まきは上級者向けで種子成熟に約8〜9ヶ月かかる
  • 寄せ植えは同属で生育サイクルが同じ多肉植物を選ぶ
  • 水はけのよい土と適切な深さの鉢を使用することが栽培成功の鍵
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