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アジサイを地植えで育てたいと考えているものの、植え替えの適切な時期がわからず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。地植えの紫陽花の植え替え時期はいつが最適なのか、5月や9月、10月といった時期に作業しても問題ないのか、挿し木から育てた苗の植え替えはどうすればよいのかなど、疑問は尽きません。
実際、植え替えの時期を誤ると、翌年に花が咲かなくなったり、株が弱ってしまったりする失敗や後悔につながることがあります。また、植え替えに使う土の選び方や、地植えに適した場所の見極めも重要なポイントです。
この記事では、アジサイ(紫陽花)の植え替え時期と地植えの方法について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。適切な時期の選び方から、具体的な植え替え手順、失敗を防ぐための注意点まで、必要な情報を網羅的にお届けします。
この記事でわかること
- アジサイの地植えに最適な植え替え時期と季節ごとの注意点
- 植え替えに適した場所の選び方と土の準備方法
- 鉢植えから地植えへ移行する具体的な手順とコツ
- 挿し木苗の植え替え時期と失敗しないためのポイント
アジサイの植え替え時期と地植えの基本

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- 地植えの紫陽花の植え替え時期はいつですか?
- 植え替えに適した11月から3月の休眠期
- 5月の植え替えは可能?注意点を解説
- 9月や10月の植え替えは避けるべき理由
- 挿し木から育てた苗の植え替え時期
地植えの紫陽花の植え替え時期はいつですか?
アジサイを地植えにする際、最も重要なポイントは植え替えの時期を正しく選ぶことです。結論から言えば、地植えの植え替えに最適な時期は11月下旬から翌年3月上旬頃までの休眠期となります。
なぜなら、アジサイは秋になると葉を落とし、休眠期に入るからです。休眠期は植物の生長が止まっているため、根を触っても株へのストレスを最小限に抑えることができます。根を傷つけても、暖かくなって活動期が始まれば自然に回復していくのです。
ただし、地域や品種によって適切な時期は若干異なります。関東以西の暖地であれば、落葉して休眠期に入る11月下旬から3月上旬までが植え替え時期です。一方、寒冷地(年間最低気温がマイナス10度程度以下になる地域や積雪地)では、寒さで株が傷まないよう、厳寒期を除いて11月頃か、気温が上がる3月以降を待ってから植え替えをするとよいでしょう。
アジサイの植え替えは、完全に落葉した後の休眠期に行うことで、株への負担を減らし、翌年の開花を確実にすることができます。ただし、品種によって花芽のつき方が異なるため、お持ちのアジサイがどのタイプなのか確認しておくことをおすすめします。
植え替えに適した11月から3月の休眠期
去年一回り大きな鉢に植え替えしたら、お花も一回り大きくなりました😊
満開です✿#アジサイ pic.twitter.com/kqCYQEYlFy— いちごみるく (@N2biHgu14di8WXJ) June 15, 2025
休眠期である11月下旬から3月上旬は、アジサイの植え替えにとって理想的な時期といえます。この時期を選ぶべき理由について、詳しく見ていきましょう。
まず、アジサイの生長が完全に停止しているため、根を切ったり移動させたりしても、樹木に与える負担が最小限で済みます。生育期に植え替えを行うと、根から水分や栄養を吸収できなくなり、株が弱ってしまうことがあるのです。
また、葉が落ちている状態なので、植え替え作業がしやすくなります。枝だけの状態であれば、株全体の様子を確認しながら作業を進められますし、運搬も容易です。
さらに、春に向けて根が活動を再開する前に植え替えを済ませることで、新しい環境にしっかりと根を張る時間を確保できます。根がしっかり張れば、春から夏にかけての生育期に十分な水分と栄養を吸収でき、美しい花を咲かせることができるでしょう。
ただし、休眠期の中でも1月から2月の厳寒期は、地域によっては避けたほうが無難です。とくに寒冷地では、土が凍結して作業が困難になったり、植え替え直後の株が寒さでダメージを受けたりする可能性があります。
5月の植え替えは可能?注意点を解説

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5月にアジサイの植え替えを行うことは、原則として推奨されません。しかしながら、やむを得ない事情がある場合、いくつかの注意点を守れば植え替えは可能です。
5月はアジサイの生育期にあたり、新しい葉が展開し、花芽も成長している時期です。この時期に根を触ると、株に大きな負担がかかります。根を切ってダメージを受けた状態では、地上部の葉や花芽に十分な水分や栄養を送れなくなってしまうのです。
もし5月に植え替えが必要な場合は、根鉢を崩さずに、そっくりそのまま新しい場所に移植する方法をとりましょう。根を触らないようにすれば、株への負担を最小限に抑えられます。鉢植えの場合は、ひと回りからふた回り大きな鉢に植え替えます。
また、植え替え後は1週間程度、日陰で管理してください。直射日光に当てると、根からの水分吸収が追いつかず、葉がしおれてしまう恐れがあります。土の表面を指で2〜3cm差し入れて乾いていたら、たっぷりと水を与えるサイクルを続けましょう。
5月の植え替えでは、その年の開花が見込めなくなる可能性があります。花を楽しみたい場合は、開花後まで待つか、翌年の休眠期まで延期することをおすすめします。初期は肥料よりも水やりと遮光を優先し、追肥は根が活着してから行いましょう。
9月や10月の植え替えは避けるべき理由
紫陽花の植え替え完了〜
小さな6鉢を大きな3鉢にした。根がいっぱいに回ってた。
ほんとは9月中にやりたかったんだけど、いつまでも咲いてたし、台風とかあったからね。来年も咲いてくれるかなぁ?🐣 pic.twitter.com/CcSj1iLwXJ— シスコ室内履きや(ち冷え) (@chibie_uni) October 6, 2018
9月や10月の植え替えは、一見すると涼しくなって作業しやすい時期のように思えますが、基本的には休眠期の植え替えを推奨します。ただし、条件次第では可能な場合もあるため、その理由と条件を詳しく見ていきましょう。
まず、9月や10月はまだアジサイが完全に休眠していません。葉が残っている状態で植え替えを行うと、根を触った負担が地上部に影響を及ぼします。葉から水分が蒸散し続けるため、根からの吸収が追いつかず、株が弱ってしまう可能性が高いのです。
加えて、多くのアジサイは「旧枝咲き」といって、前年の夏から秋にかけて翌年の花芽をつけます。9月や10月は、まさにこの花芽が形成される大切な時期です。植え替えによる負担で花芽の発達が妨げられると、翌年に花が咲かなくなってしまうことがあります。
さらに、秋は気温が下がり始める時期であり、植え替え後に根が新しい環境に適応する前に冬が来てしまう恐れもあります。根がしっかり張る前に寒さに遭うと、冬越しに失敗するリスクが高まるでしょう。
ただし、暖地で霜が降りるまでの期間が十分にあり、9月上旬から中旬に実施できるのであれば、条件付きで可能です。その場合は、根鉢を崩さず、遮光と水やりを徹底してください。寒冷地では、厳冬期を避けるために11月頃に植え替えを行うケースもあります。いずれにしても、できるだけ早めの時期を選び、冬までに根が張る時間を確保することが重要です。
挿し木から育てた苗の植え替え時期

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挿し木で増やしたアジサイの苗を地植えにする場合、通常のアジサイとは少し異なるタイミングで植え替えを行います。挿し木苗の植え替え時期について、具体的に説明していきましょう。
挿し木は5月から7月頃に行うのが一般的です。挿し木後、約1ヶ月で発根したら、まず育苗ポットや小さな鉢に植え替えます。この段階では、まだ地植えにするには株が小さすぎるため、鉢で育てる期間が必要です。
挿し木苗を地植えにする最適な時期は、挿し木を行った翌年の春、具体的には3月から4月頃です。なぜなら、挿し木苗は根の量が少なく、冬の寒さに耐える力が十分ではないからです。鉢で1年ほど育てて株を充実させてから、暖かくなる春に地植えにすることで、確実に根付かせることができます。
ただし、挿し木を行った年の秋に落葉した後、12月頃に地植えにすることも可能です。その場合は、挿し木苗の根がしっかり張っていることを確認し、寒さ対策として株元に腐葉土やバークチップでマルチングを行いましょう。寒冷地では、この方法は避けたほうが安全です。
挿し木苗を地植えにする際は、根鉢を崩さないよう丁寧に扱うことが大切です。まだ根が十分に発達していないため、少しの負担でも株に大きな影響を与えてしまいます。植え付け後は、しっかりと水やりを行い、初期は肥料よりも水分管理を優先してください。
アジサイを地植えに植え替える方法と時期別の注意点

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- 地植えに適した場所の選び方
- 植え替えに使用する土の準備と配合
- 植え替え後の水やりと管理のポイント
- 寒冷地での植え替え時期の調整
- 植え替え失敗を防ぐための重要ポイント
- 鉢植えから地植えへの移行手順
地植えに適した場所の選び方
アジサイを地植えにする際、植える場所の選定は成功の鍵を握ります。適切な場所を選ぶことで、毎年美しい花を楽しむことができるでしょう。
まず、日当たりについて考えます。アジサイは基本的に日光を好む植物ですが、強い西日や真夏の直射日光は苦手です。理想的なのは、午前中だけ日が当たり、午後は日陰になるような場所です。半日陰から明るい日陰で、4〜6時間程度日が当たる場所を選びましょう。ただし、これは真夏の強い日差しを基準とした目安です。
冷涼地は日照多めでも可、暖地の西日は遮光を強めに。
次に、風通しの良さも重要です。風通しが悪いと、うどんこ病や葉斑病、斑点病といった病気が発生しやすくなります。また、アブラムシやカイガラムシなどの害虫も発生しやすくなるため、空気の流れがある場所を選んでください。マルチングを施すことで泥はねによる病害も抑制できます。
さらに、冬の寒風を避けられる場所がよいでしょう。アジサイは耐寒性がある植物ですが、乾いた寒風に長時間さらされると花芽が傷み、翌年の開花に影響が出ることがあります。建物の東側や南側で、北風が直接当たらない場所が理想的です。
また、アジサイは乾燥を嫌うため、水はけと水もちのバランスがとれた場所を選びます。水はけが悪すぎる場所では根腐れを起こしますし、乾燥しやすい場所では頻繁な水やりが必要になります。適度に湿り気のある土壌が理想です。
アジサイは地植えすると樹高が1〜2m程度に育ちます。植える際は、将来の成長を見越して、建物や他の植物との距離を十分にとりましょう。また、重粘土質や過湿地の場合は、粗目の資材(軽石、バーク、パーライト)を10〜20%目安で追加し、排水性を確保してください。
植え替えに使用する土の準備と配合
青色の花が咲く専用の土に植え替え
買った時はは青い色してたのに
翌年どう見ても赤くなった紫陽花が
今年も綺麗に赤く咲きました✨✨ pic.twitter.com/PDlfi0Y2Ju— 空豆🐾 (@SoraMame170) June 12, 2025
地植えにする際の土作りは、アジサイの健康な成長に直結する重要な作業です。適切な土を準備することで、根がしっかり張り、美しい花を咲かせることができます。
アジサイは、水はけと水もちの両方に優れた、やや湿り気のある肥沃な土を好みます。一見矛盾しているように感じられるかもしれませんが、適度に小さな土の塊が混ざっていて、肥料分もある程度含まれているふかふかの土が理想的です。
地植えの場合、植え付ける予定の場所に腐葉土や堆肥を混ぜて、よく耕しておきましょう。有機改良材(腐葉土と堆肥の合計)は掘り出した土の20〜30%程度を目安とします。例えば、腐葉土15%と堆肥10%を合わせて25%程度、あるいは腐葉土のみ20%など、土の状態に応じて調整してください。これにより、土壌の通気性や保水性が改善され、アジサイの根が伸びやすい環境が整います。
改良土は周囲の原土とよく混和し、層(境目)を作らないように戻します。
また、アジサイの花の色は土壌の酸性度とアルミニウムの可溶性によって変化します。一般に日本の土壌は酸性寄りが多いため、そのまま植えると青色の花が咲きやすくなります。ただし、都市部や造成地では中性から弱アルカリ性の土壌も見られます。もしピンク色の花を咲かせたい場合は、苦土石灰を植え付けの2週間ほど前までに少量ずつ混ぜ、土壌をアルカリ性に傾けましょう。
石灰を入れすぎるとクロロシス(葉の黄化)の原因になります。少量ずつ様子を見ながら調整してください。また、品種によっては土壌の酸性度に関わらず決まった色の花しか咲かないものもあるため、事前に品種の特性を確認しておくとよいでしょう。なお、pH調整は緩衝作用により即効ではないため、数ヶ月から次シーズンの変化として捉えましょう。
土作りに必要な資材と分量の目安
| 資材 | 目的 | 使用量の目安 |
|---|---|---|
| 腐葉土 | 土壌改良・保水性向上 | 掘り出した土の15〜20%程度 |
| 堆肥 | 土壌改良・栄養補給 | 掘り出した土の5〜10%程度(腐葉土と合わせて20〜30%が目安) |
| 苦土石灰 | 土壌をアルカリ性に調整 | 1平方メートルあたり50〜100g程度 |
| 元肥(緩効性肥料) | 初期の栄養補給 | 控えめに混和または株元から離して施す |
植え替え後の水やりと管理のポイント

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地植えに植え替えた後の水やりと管理は、アジサイを確実に根付かせるために欠かせない作業です。適切な管理を行うことで、株を健康に育てることができます。
植え替え直後は、植え穴へたっぷり灌水して泥水状にし、根鉢周囲の空気を抜きます。これは「水鉢」を作るとも呼ばれる方法で、土と根をしっかり密着させるために重要です。水が引いたら、土が沈んだ部分に土を補充し、さらに水をやって馴染ませましょう。
植え替え後の数週間は、根がまだ新しい環境に適応していないため、こまめな水やりが必要です。土の表面を指で2〜3cm差し入れて乾いていたら、たっぷりと水を与えてください。根が張るまでの期間は、常に湿った状態からやや湿った状態を保つよう注意しましょう。
ただし、水をやりすぎると根腐れの原因になります。土の表面を触って湿り具合を確認し、乾いていたら水やりをするというサイクルを守ってください。常に土がびしょびしょの状態は避けましょう。
根がしっかり張った後は、地植えの場合、基本的に水やりの必要はありません。自然の降雨で十分です。ただし、初年度の夏は乾きやすいため、雨が何日も降らず、土が極端に乾燥している場合は、適宜水を与えましょう。
また、植え替え後は明るい日陰で管理し、徐々に日当たりの良い場所に慣らしていくとよいでしょう。急に強い日差しに当てると、根からの吸収が追いつかず、葉がしおれてしまうことがあります。遮光が必要な場合は、寒冷紗やヨシズ、仮設シェードなどを活用してください。
植え替え後の水やりは、根の活着を促すために非常に重要です。特に春から夏にかけての生育期に植え替えた場合は、水切れに十分注意してください。初期は肥料よりも水やりと遮光を優先し、追肥は根が活着してから行います。
寒冷地での植え替え時期の調整
貰った紫陽花が色づいてきた
綺麗な青紫!植え替えしたほうがいいかなーって思ったけど紫陽花の植え替えは11月〜3月の間にするのがいいらしい pic.twitter.com/HRoWSmBFcT
— くー (@qoo10999) June 22, 2024
寒冷地でアジサイを地植えする場合、一般的な植え替え時期とは異なるタイミングを選ぶ必要があります。寒さが厳しい地域ならではの注意点を把握しておきましょう。
寒冷地では、厳寒期である1月から2月の植え替えは避けるべきです。この時期に植え替えを行うと、土が凍結して作業が困難になるだけでなく、植え替え直後の株が寒さで負担を受けてしまいます。根がまだ新しい環境に適応していない状態で厳しい寒さに遭うと、枯死してしまう恐れもあるのです。
寒冷地における植え替えの適期は、主に2つの時期に分かれます。ひとつは、落葉直後の11月頃です。まだ厳しい寒さが到来する前に植え替えを済ませることで、冬までに根が少しでも張る時間を確保できます。ただし、早めに寒波が来る年もあるため、天候を見ながら判断しましょう。
もうひとつの適期は、気温が上がり始める3月から4月頃です。雪解けが進み、土が柔らかくなってから植え替えを行います。春に植え替えることで、根が活動を始める時期と重なり、新しい環境にスムーズに適応できます。
寒冷地で地植えにする際は、冬越し対策も重要です。植え替え後、株元に腐葉土やバークチップを敷いてマルチングを行うと、土壌の保温効果が高まります。また、不織布や寒冷紗で株全体を覆うことで、寒風や霜から守ることができるでしょう。マルチングは保水だけでなく、地温の安定や泥はねによる葉斑病の抑制にも効果があります。
植え替え失敗を防ぐための重要ポイント

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アジサイの植え替えで失敗しないためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、実際の作業手順で注意すべきチェックポイントを見ていきましょう。
まず、植え替え時期を守ることです。休眠期である11月下旬から3月上旬が基本です。生育期に植え替えると、根を触った負担が地上部に影響し、葉がしおれたり、花芽が落ちたりする原因になります。
次に、根を乾燥させないことが重要です。アジサイは乾燥に弱い植物であり、根が乾いてしまうと回復が難しくなります。鉢から抜いた後は、できるだけ早く新しい場所に植え付けてください。作業が長引く場合は、根を湿らせた新聞紙や麻布、ポリ袋などで包み、直射日光を避けて保護しておきましょう。
また、根鉢を崩しすぎないことも大切です。休眠期の植え替えでは、表面の土を軽くほぐす程度にとどめ、根の中心部はそのまま残しておきましょう。
さらに、植え付けの深さにも注意が必要です。根鉢の上面が地表と同じ高さ、または気持ち浅めになるように植え付けます。深く植えすぎると根が酸素不足になり、浅く植えすぎると根が乾燥しやすくなります。根元(土際)を埋めすぎないよう気をつけてください。
大株の移植や風当たりの強い場所では、仮支柱を立てることも検討しましょう。風で株が揺れると新しく伸びた根が切断され、活着が遅れる原因になります。
植え替え時に剪定を行う場合は、花芽を切り落とさないよう注意してください。多くのアジサイは旧枝咲きで、前年の夏から秋にかけて花芽をつけます。剪定しすぎると翌年の花が咲かなくなってしまいます。ただし、アナベルやノリウツギなどの新枝咲きタイプは、春の剪定や移植に比較的強く、花芽を落としにくい特徴があります。
鉢植えから地植えへの移行手順

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鉢植えで育てていたアジサイを地植えにする場合、正しい手順で作業を進めることが大切です。具体的な移行手順を、ステップごとに解説していきます。
ステップ1:植え付け場所の準備
まず、植え付ける場所を決めたら、根鉢より一回り大きな植え穴を掘ります。穴の深さは根鉢の高さと同じくらいにし、最終的に根鉢の上面が地表と同じ高さ、または気持ち浅めになるよう調整しましょう。掘り出した土に腐葉土や堆肥を混ぜて、土壌を改良しておきます。
植え穴は深さは根鉢と同等(やや浅め)、幅は根鉢の2〜3倍を目安にすると根の横方向の展開がスムーズです。
ステップ2:アジサイを鉢から取り出す
鉢の縁を軽く叩いて、鉢と土の間に隙間を作ります。株元を持って、ゆっくりと鉢から引き抜きましょう。根がぎっしり詰まっている場合は、鉢を横に倒してから引き抜くと作業がしやすくなります。
ステップ3:根鉢の処理
取り出した株の根鉢を観察します。根が鉢の形に沿ってぐるぐる巻きになっている場合は、底の部分を少しほぐしてください。側面の根も軽く手でほぐし、新しい環境で根が伸びやすいようにします。ただし、崩しすぎないよう注意しましょう。
ステップ4:植え付け
植え穴に元肥として緩効性肥料を混ぜた土を少量入れます。ただし、元肥は植え穴の底に直置きせず、戻し土に均一に混和するか、株元から離して施します。直下に集中させると根傷みの原因になるためです。その上にアジサイを置き、高さを調整してください。根鉢の上面が地表と同じ高さ、または気持ち浅めになるようにします。株を穴に入れたら、周りに土を入れていきましょう。
土を入れる際は、根の周りにしっかりと土が行き渡るよう、割り箸などでつつきながら作業を進めます。隙間ができないよう、丁寧に土を詰めていくことが重要です。
ステップ5:水やりと仕上げ
植え付けが完了したら、植え穴へたっぷり灌水して泥水状にし、根鉢周囲の空気を抜きます。水が引いたら、土が沈んだ部分に土を足し、再度水やりをしてください。最後に、株元に腐葉土やバークチップを敷いてマルチングすると、乾燥防止と地温安定、泥はねによる病害抑制の効果があります。
| 作業ステップ | ポイント |
|---|---|
| 植え穴の準備 | 根鉢より一回り大きく掘り、腐葉土を混和 |
| 鉢から取り出す | 根を傷つけないよう丁寧に、直射日光を避ける |
| 根鉢をほぐす | 軽くほぐす程度にとどめる |
| 植え付け | 根鉢上面は地表と同高または浅め、元肥は直下不可 |
| 水やり | 植え穴へたっぷり灌水し空気を抜く |
総括:アジサイの植え替え時期は?地植えの方法と注意点を徹底解説
アジサイの地植えへの植え替えについて、時期や方法、注意点を詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめておきます。
- 地植えの最適な時期は11月下旬から3月上旬までの休眠期
- 5月の植え替えは原則避けるべきだが、やむを得ない場合は根を崩さずに移植する
- 9月や10月は基本的に休眠期推奨だが、暖地で早めの時期なら条件付きで可
- 挿し木苗は翌年の春まで鉢で育ててから地植えにするのが安全
- 植える場所は午前中だけ日が当たる半日陰が理想的
- 土作りでは有機改良材の合計を掘り土の20〜30%程度とする
- 花の色はpHとアルミニウム可溶性と品種特性に依存する
- 植え替え直後は植え穴へたっぷり灌水し根鉢周囲の空気を抜く
- 初年度の夏は地植えでも乾きやすいため補水が必要
- 根を乾燥させないよう作業は手早く行い湿らせた資材で保護する
- 植え付けの深さは根鉢上面が地表と同高または浅めにする
- 元肥は植え穴の底に直置きせず戻し土に混和するか株元から離して施す
- マルチングは保水と地温安定と泥はね病害抑制の効果がある
- 旧枝咲きは休眠期の移植と剪定に慎重で新枝咲きは春の作業に比較的強い
- 風で株が揺れると新根が切れるため活着まで仮支柱は有効