ごまの栽培から摘心まで完全ガイド|家庭菜園の秘訣

ごまの栽培から摘心まで完全ガイド|家庭菜園の秘訣

ごまの栽培において摘心は、より豊かな収穫を得るための重要な技術です。自家製ごまは市販品と比べて香りや風味が格段に優れており、家庭菜園で育てる価値があります。この記事では、ごまを栽培する際の基本知識から摘芯の効果的な方法まで、詳しく解説していきます。畝幅や株間の取り方、適切な種の蒔き時、収穫のタイミング、さらには胡麻の収穫後の保存方法まで、ごま栽培の全工程をカバーしています。初めてごまを育てる方も、すでに栽培経験がある方も、ぜひ参考にしてみてください。摘心を行うことで実の充実度が高まり、収量アップにつながります。ごまの栽培から摘心のコツまで、この記事でマスターしましょう。

  • ごまの摘心がサヤの充実と収量増加に効果的であることを理解できる
  • 摘心のタイミングと具体的な方法について実践的な知識が得られる
  • ごま栽培の基本(種まき時期、畝幅、土壌条件など)が学べる
  • 収穫の見極め方から保存方法まで一連の流れを把握できる
目次

ごまの栽培から摘心までの基本知識

ごまの栽培から摘心までの基本知識

  • ごまの摘芯とは?
  • ゴマの蒔き時はいつ頃ですか?
  • ごまを栽培するときの畝幅は?
  • ごま栽培の適した土壌と肥料
  • ごま栽培での間引きと水やり

ごまの摘芯とは?

ごまの摘芯とは、ごま栽培において実の充実を促すために行う重要な作業です。具体的には、ごまの茎の先端部分を切り取ることで、植物の成長を制御する技術です。

この作業は「摘芯(てきしん)」または「摘心」とも表記され、どちらも同じ意味を持ちます。ごまの場合、草丈が約150cmに達したとき、または収穫の約2週間前に行うのが一般的です。摘芯の目的は、茎の先端の成長を止めることで、栄養分を花や実の成長に集中させることにあります。

摘芯をすることで以下のようなメリットがあります。

  1. サヤの充実:栄養が先端の成長ではなく、すでに付いているサヤに行き渡ります
  2. 収量増加:サヤが充実することで、より多くのごまが収穫できます
  3. 収穫作業の効率化:未熟な実が少なくなり、選別作業が容易になります

摘芯の具体的な方法としては、ハサミや手で茎の先端から約20cm程度を切り取ります。ただし、この作業を行う際は晴れた日の午前中に行うことが推奨されています。切断面を早く乾燥させることで、病気の予防にもつながるからです。

一方で、摘芯は必ずしも必須の作業ではありません。摘芯を行わない栽培方法もあり、特に大規模農家では手間がかかるため、収穫時期の見極めと選別作業で対応することもあります。

初心者の方は、少量栽培であれば摘芯を行うことで、ごまの実の充実と収穫量の増加を体験してみるとよいでしょう。摘芯の有無による違いを自分の目で確かめることで、ごま栽培の理解が深まります。

ゴマの蒔き時はいつ頃ですか?

ゴマの種蒔きの適期は、5月中旬から6月中旬頃です。ごまは熱帯原産の植物であるため、温暖な環境を好みます。種蒔きのタイミングは地域の気候によって多少異なりますが、平均気温が20℃以上になった頃が目安となります。

ゴマの発芽には20~25℃の地温が必要です。寒冷地では6月に入ってから種まきをするのが望ましく、地温が低い場合は黒色マルチなどを使用して土を温めておくと効果的です。種まきが早すぎると低温のため発芽が遅れ、遅すぎると生育期間が短くなり収量が減少する可能性があります。

種まきの方法としては、地植えの場合は深さ約1cmの溝を作り、1cmほどの間隔で種をまきます。プランター栽培では、1カ所に5~6粒ずつ点まきする方法も効果的です。どちらの場合も、種をまいた後は薄く土をかぶせ、しっかりと水やりをすることが大切です。

ゴマの種は小さいため、水やりの際は種が流されないよう注意が必要です。適切な条件下では、ゴマは早ければ2~3日で発芽し始めます。発芽率を高めるためには、種まき後から発芽するまでの間、土の表面が乾かないように管理することが重要です。

種まきから収穫までの期間は約3~4カ月で、収穫時期は8月中旬から9月中旬頃になります。この時期を逆算して、お住まいの地域の気候に合わせた種まき時期を選ぶとよいでしょう。

ただし、冷涼な気候の地域では、育苗してから定植する方法も考えられます。この場合、4月頃に室内で種をまき、苗を育てた後、外気温が安定した5月下旬から6月上旬に畑に定植することで、栽培期間を確保することができます。

種まきの時期を適切に選ぶことは、ごま栽培の成功に大きく影響します。地域の気候条件に合わせた種まきを心がけましょう。

ごまを栽培するときの畝幅は?

ごまを栽培する際の畝幅は、60〜70cmが一般的です。この畝幅はごまの生育に必要な空間を確保しつつ、栽培管理のしやすさを考慮して設定されています。

畝の高さについては、10〜15cmほどの高さが望ましいでしょう。これは水はけを良くし、根の成長を促すために重要です。平坦な畑よりも少し高く畝を作ることで、梅雨時期などの長雨にも対応できます。

畝を作る際には、土をよく耕し、固まりをほぐして空気を含ませることが大切です。ごまは根が地中深くまで伸びるため、深耕することで根の張りが良くなり、倒伏しにくい丈夫な株に育ちます。

株間は15〜20cm程度が適切です。ごまは成長すると草丈が1〜1.5m、場合によっては2m近くまで伸びることもあるため、十分な間隔をとることが重要です。株同士が密集すると風通しが悪くなり、病害虫の発生リスクが高まります。

畝の配置については、南北方向に設置すると日当たりが均等になり、ごまの生育が揃いやすくなります。ただし、風の強い地域では、強風の方向に対して垂直になるよう畝を配置すると、風害を軽減できることもあります。

大規模栽培の場合は、機械作業の効率性も考慮して畝幅を決めることがあります。一方、家庭菜園では限られたスペースを有効活用するため、最小限の畝幅でも構いません。ただし、あまりに狭いと管理作業が難しくなるので注意が必要です。

このように、畝幅はごまの生育環境と栽培管理のしやすさのバランスを考えて設定することが重要です。地域の気候や栽培規模、土壌条件などに合わせて調整しましょう。

ごま栽培の適した土壌と肥料

ごま栽培には水はけの良い、やや弱アルカリ性の土壌が適しています。ごまはもともとアフリカの乾燥地帯が原産のため、湿気の多い環境よりも乾燥気味の土壌を好みます。

理想的な土壌のpH値は6.0〜6.5程度です。酸性の強い土壌ではごまの生育が阻害されるため、栽培前に苦土石灰を散布して中和することが効果的です。土壌改良は種まきの2週間前に行い、苦土石灰をまいた後はよく耕して土壌と混ざるようにします。

土壌の物理性としては、砂質から砂壌土が適しています。粘土質の土壌は水はけが悪く根腐れの原因となるため、そのような場所では堆肥や腐葉土を多めに投入して土壌構造を改善することが大切です。

肥料については、ごまは比較的少ない肥料でも育つ作物ですが、バランスのとれた施肥が収量向上につながります。元肥としては、1平方メートルあたり完熟堆肥を2kgほど、化成肥料を50gほど施すとよいでしょう。ごまは過剰な窒素肥料を与えると茎葉が徒長し、倒伏しやすくなるため注意が必要です。

追肥については、生育状況を見ながら判断します。一般的には間引き後や花が咲き始める頃に、株元に少量の化成肥料をまき、軽く土寄せをします。プランター栽培の場合は液体肥料を薄めて週に1回程度与えると良いでしょう。

特に注意したいのは、化学肥料の過剰投与です。過剰な肥料は茎の伸長を促進し、折れやすくなるだけでなく、病害虫にも侵されやすくなります。「日照りごまに不作なし」という言葉があるように、ごまは乾燥に強く、肥料が少なくても育つ強靭な植物です。

自然農法を実践する場合は、化学肥料を使わず堆肥や草木灰などの有機質肥料のみで栽培することも可能です。ただし、その場合は事前に土壌の栄養状態を把握し、不足している栄養素を補給することが大切です。

ごま栽培での間引きと水やり

ごま栽培において間引きと水やりは、健全な成長と収量確保のために欠かせない管理作業です。適切なタイミングと方法で実施することが、成功への鍵となります。

間引きは計画的に段階を踏んで行います。まず1回目の間引きは、本葉が1〜2枚出た頃に実施します。この時点では、一カ所に蒔いた複数の芽から成長の良いものを3〜4本残し、他を間引きます。間引く際は、残す苗を傷つけないよう注意深く引き抜きましょう。

2回目の間引きは、本葉が3〜4枚に成長した頃に行います。一カ所につき1〜2本の健全な株だけを残します。最終的には、株間が15〜20cm程度になるよう調整すると良いでしょう。間引きの際には同時に土寄せも行い、株の根元を安定させることが大切です。

間引いた若い苗は、欠株した箇所に移植することも可能です。移植する場合は、根を傷めないよう土ごと掘り上げ、十分に水を与えて活着を促します。

水やりについては、ごまは乾燥に強い植物なので、過剰な水やりは逆効果です。特に発芽後の生育期は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与える程度で十分です。頻繁に少量ずつ水やりするよりも、時々まとめて与える方がごまの根の発達を促します。

ただし、発芽直後や定植直後は土が乾かないよう注意が必要です。また、開花・結実期にも水分が不足すると収量に影響するため、長期間雨が降らない場合は水やりを行いましょう。

プランター栽培の場合は、地植えよりも乾燥しやすいので、朝晩の涼しい時間帯に、土の状態を確認しながら水やりをします。鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えることがポイントです。

梅雨時期など湿度の高い時期は、逆に水やりを控えめにし、風通しを良くして過湿を防ぎます。過湿状態は根腐れや病害の原因となるため注意しましょう。

このように、間引きと水やりは生育段階に応じて適切に管理することが大切です。ごまの生育状況をよく観察しながら、状況に合わせた対応を心がけましょう。

ごまの栽培で摘心が重要な理由

ごまの栽培で摘心が重要な理由

  • 摘心のタイミングと正しい方法
  • 摘心をしない場合との違い
  • 摘心後の生育状況と注意点
  • ごまの収穫時期の見分け方
  • 胡麻の収穫後はどのように保存しますか?
  • 自家製ごまの活用法と栄養価

ごまの摘心方法 摘心前 摘心後 摘心 ※収穫の2週間前、または草丈が150cmに達したら、先端から約20cmを切り取ります

摘心のタイミングと正しい方法

ごま栽培において摘心は、実の充実と収量向上に大きく貢献する重要な作業です。適切なタイミングと方法で行うことで、より豊かな収穫を期待できます。

摘心の最適なタイミングは、主に2つの目安があります。1つ目は草丈が約150cmに達したとき、2つ目は収穫の約2週間前です。実際の栽培では、これらが重なる時期になることが多いでしょう。摘心のタイミングが早すぎると茎の成長を抑えすぎてしまい、遅すぎると十分な効果が得られないため、この時期を見極めることが重要です。

地域によって気候条件が異なるため、具体的な時期は一概に言えませんが、多くの地域では8月中旬から下旬頃が摘心の適期となります。また、サヤが50個ほど付いた頃も目安となります。

摘心の正しい方法としては、以下のステップで行います。

  1. 晴れた日の午前中を選ぶ:切断面が早く乾燥し、病気の予防になります
  2. 清潔な道具を準備する:ハサミを使う場合は、アルコールなどで消毒します
  3. 茎の先端から約20cmの部分を切る:切り方は茎に対して垂直に切ります
  4. 切り口を乾燥させる:切った後はそのまま自然に乾燥させます

手で摘み取る場合は、指先でつまんだ後、手首をひねって「ポキッ」と折るようにすると切断面が綺麗になり、病原菌の付着リスクも低減できます。

ハサミを使用する場合は、病原菌の伝染に注意が必要です。可能であれば、一株ごとにアルコールや次亜塩素酸カルシウムなどで消毒するか、自動消毒機能付きの「Vカットはさみ」のような専用工具を使うと効果的です。

摘心後は、その後の生育を観察し、必要に応じて支柱を立てて風による倒伏を防ぎます。特に実が充実してくると、重みで茎が折れる可能性があるためです。

初めての方は、試験的に一部の株だけ摘心して、摘心あり・なしの生育の違いを比較してみるのも良い学習方法です。この実践的な経験が、次回の栽培に生かされることでしょう。

摘心をしない場合との違い

ごま栽培において摘心は必須の作業ではありませんが、摘心をする場合としない場合では生育や収穫に明確な違いが生じます。この違いを理解することで、自分の栽培目的に合った方法を選択できるようになります。

まず、摘心をした場合の最大のメリットは、栄養分の配分が変わることです。摘心により先端の成長が止まると、本来なら茎の伸長に使われる栄養分が、既に形成されているサヤや種子の充実に回されます。これにより、一粒一粒のごまが大きくなり、収穫量が増加する傾向があります。

対照的に、摘心をしない場合は、植物は自然の成長パターンに従い、茎の先端が伸び続けます。これにより草丈が高くなり、場合によっては2mを超えることもあります。高くなりすぎると風で倒れやすくなるリスクがあり、支柱が必要になることも少なくありません。

収穫物の質についても違いが見られます。摘心した株は、比較的均一に熟した実を収穫できる傾向があります。一方、摘心しない株では、下部のサヤは成熟していても上部はまだ未熟というように、成熟度にばらつきが生じやすくなります。

収穫作業の観点からも違いがあります。摘心した株は、未熟な実が少ないため、収穫後の選別作業が比較的容易です。摘心しない株では、熟した実と未熟な実が混在するため、選別により多くの時間と労力を要することがあります。

病害虫の観点では、摘心により風通しが良くなり、湿度の高い環境を好む病原菌の繁殖を抑制できる場合があります。また、摘心により過剰な成長が抑えられ、栄養状態のバランスが取れることで、一部の害虫に対する抵抗力が高まることも報告されています。

これらの違いを踏まえると、少量多品種の家庭菜園では摘心を行い、品質の良いごまを効率的に収穫する方法が適していると言えます。一方、大規模栽培では労力の観点から摘心を行わず、選別工程で対応するケースも多いようです。

最終的には、栽培の目的や規模、労力の配分を考慮して、摘心するかどうかを決めると良いでしょう。初めての栽培なら、一部の株だけ摘心して比較するのも有効な方法です。

摘心後の生育状況と注意点

ごまの摘心を行うと、植物の生育パターンに顕著な変化が現れます。この変化を理解し、適切に対応することで収穫の質と量を向上させることができます。

摘心後まず最初に見られる変化は、茎の先端成長の停止です。通常なら上へ上へと伸び続ける茎が、摘心によって成長点を失うことで高さ方向への伸長が止まります。これにより植物体内の栄養分の流れが変わり、既存の花やサヤに集中して供給されるようになります。

摘心から約1週間後には、実のつき方に違いが現れ始めます。摘心前に比べてサヤが太くなり、中のごま粒も充実してきます。この時期には葉の色にも変化が見られ、濃い緑色から少しずつ黄色みがかってくることがあります。これは自然な現象で、植物が実の成熟に向けてエネルギーを集中させている証拠です。

摘心後の管理において特に注意すべき点がいくつかあります。まず、摘心によってごまの株は上部の重量バランスが変わるため、風雨に対する耐性が変化します。特に実が充実してくると重みで倒れやすくなるため、支柱を立てて補強することが望ましいでしょう。

また、切断面からの病原菌侵入を防ぐため、摘心後しばらくは雨の当たらない天気の良い日が続くと理想的です。もし長雨などで湿度が高い状態が続く場合は、切断面の状態を定期的に確認し、異常が見られれば早めに対処します。

栄養面については、摘心後に追肥を行うことで実の充実をさらに促進できます。ただし、収穫間近の時期での過剰な追肥は避けるべきです。必要があれば摘心直後に一度軽く追肥を行う程度にとどめましょう。

水管理も重要なポイントです。摘心後は茎葉の生長が抑えられるため、水の消費量がやや減少します。そのため、過湿にならないよう水やりの頻度を調整することが必要です。特にプランター栽培では注意が必要でしょう。

害虫対策については、摘心によって株の形状が変わることで害虫の付き方も変化する可能性があります。特にカメムシ類がサヤに集まることがあるため、定期的に株を観察し、害虫を発見したら早めに対処してください。

最後に、摘心後は収穫までの日数をカウントしておくと便利です。一般的に摘心から2週間程度で収穫適期を迎えることが多いため、カレンダーに記録しておくと収穫のタイミングを逃しにくくなります。

このように、摘心後の生育状況をよく観察し、適切に管理することで、より質の高いごまの収穫につなげることができます。初めての栽培では試行錯誤があるかもしれませんが、経験を積むことで最適な管理方法を見つけられるでしょう。

ごまの収穫時期の見分け方

ごまの収穫時期を適切に見極めることは、栽培の成功に直結する重要なポイントです。早すぎると未熟な実が多くなり、遅すぎるとサヤが裂けて種が落ちてしまうため、タイミングが非常に重要になります。

ごまの収穫適期を判断する最も確実な指標は、サヤの色と状態です。サヤが緑色から黄色や褐色に変化し始め、特に株の下部にある2〜3個のサヤが裂け始めたら、収穫の合図です。この時点で上部のサヤはまだ緑色のままであることも多いですが、収穫を遅らせるとどんどんサヤが裂けて種が落ちていくため、早めに収穫を始めるのが賢明です。

もう一つの重要な指標は葉の状態です。下葉から順に黄色く変化していき、茎の中段位までの葉や茎が黄色く変化した頃が収穫の適期とされています。すべての葉が黄色くなるまで待つと、多くのサヤが裂けてしまうので注意が必要です。

収穫時期の目安として、種まきからの日数も参考になります。多くの品種では、種まきから90〜120日程度で収穫期を迎えます。地域の気候や栽培条件によって多少の前後はありますが、カレンダーにマークしておくと目安になるでしょう。

収穫時期の判断で迷った場合は、一部の株だけ先に収穫してみるのも良い方法です。サヤを乾燥させてみて、実の充実度を確認することで、本格的な収穫のタイミングを決定できます。

気象条件も収穫時期の判断材料になります。長雨が予想される場合は、やや早めに収穫した方が安全です。雨でサヤが濡れると裂けやすくなり、種が落ちる原因になるためです。逆に、晴天が続く時期を選んで収穫すると、その後の乾燥作業もスムーズに進みます。

収穫の手順としては、まず葉を落としてからサヤだけの状態にし、その後根元から株を刈り取ります。葉を先に落としておくことで、後の選別作業が格段に楽になります。刈り取りには鋏や鎌を使い、株の根元から切り取ります。

収穫したごまは、すぐに乾燥作業に移ります。シートや新聞紙の上に立てかけるか吊るして、風通しの良い日陰で2週間ほど乾燥させます。この間にもサヤは徐々に裂けていき、ごまの粒が自然に落ちてきます。

見落としがちなポイントとして、ごまは株ごとに成熟のスピードが異なることがあります。同じ時期に種をまいても、株によって生育に差が出ることがあるため、畑全体を一度に収穫するのではなく、成熟した株から順に収穫していく方法も効果的です。

こうした収穫時期の見極めと適切な収穫作業により、手間と時間をかけて育てたごまを最大限に収穫することができます。慣れないうちは判断が難しいかもしれませんが、経験を重ねることで最適な収穫タイミングを把握できるようになるでしょう。

胡麻の収穫後はどのように保存しますか?

収穫したごまを長期間鮮度良く保存するためには、適切な方法で乾燥させ、保存環境を整えることが重要です。ごまは正しく保存すれば1年以上その風味と栄養価を維持できる優れた食材です。

収穫したごまの保存の第一歩は、徹底的な乾燥です。刈り取った株を束ね、風通しの良い日陰で2~3週間かけてしっかり乾燥させます。この時、株を逆さにして吊るすか、新聞紙やシートの上に立てかけておくと、サヤから落ちるごまを効率よく集められます。

乾燥が不十分だと、カビや腐敗の原因になるため注意が必要です。乾燥の目安としては、手で潰してみて硬く、パリッとした感触があれば十分です。また、サヤから取り出したごまを室内に広げ、さらに1週間ほど追加で乾燥させると安心です。

乾燥したごまの選別作業も重要なステップです。ふるいを使って大きなゴミを取り除き、風選(軽く息を吹きかけたり、扇風機の弱い風を当てたりする方法)で軽いゴミを除去します。より綺麗に仕上げたい場合は、水で洗って浮いてくるゴミや未熟粒を取り除くこともできますが、その場合は洗った後に再度しっかりと乾燥させる必要があります。

保存容器には、密閉できるガラス瓶やプラスチック容器、ジップロックなどが適しています。特に長期保存を考えるなら、食品用乾燥剤を一緒に入れることで湿気の侵入を防ぎ、鮮度を長持ちさせることができます。

保存場所は、直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所を選びます。冷蔵庫での保存も可能ですが、出し入れの際に結露が発生しないよう注意が必要です。特に種としてまた栽培に使う場合は、冷蔵保存すると発芽率の低下を防げます。

もし複数年にわたって種として保存する場合は、紙袋に小分けにして、品種名と収穫年を記入したラベルを付け、冷蔵庫の野菜室で保管すると良いでしょう。発芽率は年々低下しますが、適切に保存すれば2~3年は十分な発芽力を維持できます。

食用目的の保存では、生のままよりも煎ったごまの方が香りが増し、保存性も高まります。ただし、煎りごまはいりすぎると苦味が出るので注意が必要です。また、すりごまにすると酸化が早まるため、すり潰すのは使う直前にするのがおすすめです。

保存中のごまは定期的にチェックし、カビや虫の発生がないか確認しましょう。異変を感じたら、その部分を取り除くか、状態によっては全体を廃棄する判断も必要です。

このように、収穫したごまは適切な乾燥と保存環境を整えることで、長期間その価値を保ちます。手間をかけて育てたごまだからこそ、最後の保存まで丁寧に行い、その恵みを余すことなく享受しましょう。

自家製ごまの活用法と栄養価

自家製ごまは市販のものと比べて風味が格段に豊かで、多くの栄養素を含む優れた食材です。このごまを様々な料理に活用することで、日々の食事をより健康的で味わい深いものにすることができます。

自家製ごまの最も基本的な調理法は「いりごま」です。フライパンを弱火で熱し、ごまを入れてゆっくりと混ぜながら加熱します。ごまからプチプチと音がし始め、香ばしい香りが立ち始めたら火を止めます。焦がさないよう注意しながら、均一に加熱するのがポイントです。いりごまは和え物やふりかけなど様々な料理に使用でき、食卓の定番として重宝します。

すりごまにすることで、ごまの栄養素の吸収率が高まります。ごまにはセサミンやゴマリグナンといった健康成分が豊富ですが、そのまま食べるとほとんど消化吸収されず排出されてしまいます。すり鉢ですることで細胞壁が壊れ、栄養素が体に取り込まれやすくなります。胡麻和えやゴマだれなど、和食の定番調味料としても活躍します。

ごま油を手作りすることも可能です。いりごまをミキサーで粉末状にし、布などで濾して圧力をかけると油が抽出できます。手作りごま油は少量しか取れませんが、香り高く、サラダやドレッシングの風味付けに最適です。

ごまの栄養価は非常に高く、特に注目すべき成分がいくつかあります。まず、カルシウムが豊富で、小さじ1杯(約9g)のごまには約80mgのカルシウムが含まれています。これは牛乳100mlに含まれるカルシウム量とほぼ同等です。

また、ビタミンEやセサミン、ゴマリグナンなどの抗酸化物質も豊富です。これらは体内の活性酸素を除去し、老化防止や生活習慣病の予防に役立つとされています。特にセサミンは肝機能の強化や脂質代謝の改善に効果があるとされ、健康食品としても注目されています。

鉄分も多く含まれており、特に黒ごまは白ごまよりも鉄分が多いとされています。貧血気味の方にはおすすめの食材です。さらに、良質な脂質、タンパク質、食物繊維なども含まれており、栄養バランスに優れています。

ごまを毎日の食事に取り入れる方法はさまざまです。朝食のヨーグルトやシリアルにいりごまをトッピングしたり、サラダにすりごまをかけたり、スープの仕上げに散らしたりと、アイデア次第でごまの活用の幅は広がります。

和食だけでなく、中華料理や中東料理、デザートなど、世界各国の料理でごまは活躍します。例えば、中華の担々麺やバンバンジー、中東のタヒニ(ごまペースト)を使ったフムス、デザートでは黒ごまプリンやごまクッキーなど、バラエティ豊かな料理に応用できます。

自家製ごまを活用する際の注意点として、すりごまは酸化が早いため、使う分だけすることをおすすめします。また、ごま油も同様に酸化しやすいため、作りたては風味豊かですが、長期保存には向きません。

このように、自家製ごまは栄養価が高く、料理の幅を広げてくれる素晴らしい食材です。手間ひまかけて育てたごまだからこそ、その恵みを余すところなく味わい、健康増進に役立てましょう。

総括:ごまの栽培から摘心まで完全ガイド|家庭菜園の秘訣

この記事をまとめると、

  • ごまの摘芯とは茎の先端を切り取り、栄養分を実に集中させる栽培技術
  • 摘心の時期は草丈が150cmに達したとき、または収穫の約2週間前が適期
  • ごまの種まき適期は5月中旬から6月中旬で、地温20℃以上が必要
  • 畝幅は60~70cm、高さ10~15cmが栽培管理に適している
  • 株間は15~20cmを確保し、風通しを良くすることが重要
  • ごま栽培には水はけの良い弱アルカリ性土壌(pH6.0~6.5)が適している
  • 間引きは段階的に行い、最終的には一カ所に1~2本の株を残す
  • 摘心には晴れた日の午前中を選び、切断面の乾燥を促進すべき
  • 摘心をしない場合、草丈が高くなり倒伏しやすく、実の成熟にばらつきが出る
  • 摘心後は栄養分が実に集中し、サヤが充実して収量が増加する
  • 収穫時期は下部のサヤが2~3個裂け始めたときが目安
  • 収穫前に葉を落としておくと、その後の選別作業が容易になる
  • 収穫したごまは風通しの良い日陰で2~3週間かけて徹底的に乾燥させる
  • 保存には密閉容器を使用し、乾燥剤を入れると長期保存が可能
  • 自家製ごまは煎ることで香りが増し、すりつぶすことで栄養吸収率が向上する
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