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びわの育て方は鉢植えが正解!品種選びから剪定・収穫のコツまで

びわの育て方は鉢植えが正解!品種選びから剪定・収穫のコツまで

ガーデンパレット・イメージ

びわは甘くみずみずしい果実が魅力の果樹ですが、庭に植えると5メートルを超える大木になり、手入れが難しくなりがちです。限られたスペースでも育てたいと考えたとき、多くの方がたどり着くのがびわの育て方は鉢植えという選択肢ではないでしょうか。鉢植えなら樹高を2〜3メートルほどに抑えられ、冬の寒波が来ても鉢ごと避難させられます。ただし、鉢ならではの根詰まりや水切れ、実がつかないといった悩みも起こりやすいものです。この記事では、品種の選び方から植え付け、剪定、摘果、病害虫対策まで、鉢植えで甘い実を毎年収穫するための実践的なコツを順を追って紹介します。

  • 鉢植えに向くびわの品種と苗の選び方
  • 植え付けの時期や土づくりと冬越しの方法
  • 実がならない原因と剪定・摘果の正しい手順
  • がん腫病やコガネムシなど病害虫への対策
目次
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びわの育て方は鉢植えが最適な理由

  • 鉢植えにおすすめの品種は茂木か田中
  • 種から育てると実がなるのは何年後?
  • 苗木の植え付け時期と最適な土
  • 冬越しの寒さ対策と置き場所
  • ベランダ栽培の日当たりと強風対策

鉢植えにおすすめの品種は茂木か田中

果樹屋さんの棚にはいくつも品種が並んでいて、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。まずは自分の環境に合う一本を見つけるところから始めましょう。

びわを鉢植えで育てるなら、最初の品種選びが収穫の成否を大きく左右します。結論から言えば、初心者には甘味が強く育てやすい茂木、比較的寒い地域では耐寒性が高めの田中が候補になります。なぜなら、びわは品種によって収穫時期や果実の大きさ、寒さへの強さが大きく変わるからです。

例えば茂木は西日本を代表する品種で、果重は40グラムほどと小ぶりですが、酸味が少なく香りが高いのが持ち味です。一方、田中は果重が60〜80グラムと大きく、茂木などに比べて耐寒性が強いため、比較的寒い地域でも育てやすいとされています。もっと大きな実を狙いたい方には、なつたよりやクイーン長崎といった大果品種も選択肢に入ります。

ここで注意したいのは、田中の耐寒性が強いといっても、それは主に樹木本体の話だという点です。びわは真冬に開花し、幼い果実の状態で冬を越すため、花や幼果は品種にかかわらず寒害を受けます。田中を選べば寒冷地でも確実に収穫できる、というわけではありません。寒い地域では、田中であっても後述する花や幼果の防寒対策が欠かせないと考えておきましょう。

品種 収穫時期 果重の目安 特徴
茂木 5月下旬〜6月中旬 約40g 甘味が強く酸味が少ない。育てやすい
長崎早生 5月上旬〜中旬 40〜45g 収穫が早くジューシー
田中 6月中旬〜下旬 60〜80g 比較的耐寒性が強い。ただし花や幼果は要防寒
なつたより 5月下旬 約60g 甘味が強く果肉がやわらかい
クイーン長崎 6月中旬〜下旬 80g以上 大果で酸味が少ない

苗を選ぶときは、1〜2年生の接ぎ木苗を目安にし、葉が濃い緑色でつやがあり、幹に傷や病斑のないものを選びましょう。びわは受粉のための別品種を用意しなくても、1本だけで実がなる自家結実性を持っています。これは、単鉢だけで栽培が完結するベランダ栽培にとって大きな利点です。受粉樹をそろえる必要がないぶん、初心者でも気軽に始められます。

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少し変わった品種として、種なしびわの希房も流通しています。ただし、種をなくすために開花期の植物ホルモン処理が必要で、タイミングの管理が難しく、栽培の難易度は一般品種より高めです。まずは扱いやすい茂木や田中の接ぎ木苗から始めると、失敗しにくくなります。あなたはどんなびわを食卓に並べたいですか。目的に合った品種を選ぶことが、鉢植え栽培の確かな第一歩になります。

種から育てると実がなるのは何年後?

スーパーで買ったびわを食べたあと、残った種を植えてみたいと考える方は少なくありません。結論として、種から育てる実生栽培は可能ですが、実がなるまでには平均して8〜10年という長い年月がかかります。理由は、種から育った木が花芽をつけられる状態に成熟するまで、非常に長い時間を必要とするからです。

しかも、種からできた木は親の性質をそのまま受け継ぐとは限りません。甘くて大きなびわの種をまいても、実際に実った果実は小ぶりだったり酸味が強かったりすることが多いのです。これは有性生殖による遺伝のばらつきが原因とされています。だからこそ、早く甘い実を食べたいなら、植え付けから2〜3年で収穫が期待できる接ぎ木苗を選ぶのが確実な方法になります。

ただし、実生栽培にも魅力があります。種の発芽率は高く、果肉のぬめりを水で洗い流してすぐにまくと、1ヶ月ほどで芽が出ます。観葉植物として育てる過程を楽しんだり、葉の収穫を目的にしたりするなら、種から育てる方法も十分に価値があると言えるでしょう。

種から育てる場合の手順は、それほど難しくありません。食べ終わった種の周りにあるゼリー状のぬめりを水でよく洗い流します。このぬめりには発芽を抑える成分が含まれるとされるため、しっかり落とすことが発芽の近道です。洗った種は乾かさないうちに、湿らせた用土へ2〜3センチの深さでまきます。あとは土が乾かないよう水やりを続ければ、1ヶ月ほどで芽が顔を出します。

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なお、びわの葉にはポリフェノールやサポニンが含まれ、焙煎してお茶として楽しめると言われています。果実の収穫を急がず、葉を活用したい方にとっては、実生栽培はコストを抑えた選択肢になります。じっくり育てる過程そのものを味わいたい方には、種からの栽培も一つの楽しみ方だと言えるでしょう。

苗木の植え付け時期と最適な土

苗木の植え付け時期と最適な土

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苗木を入手したら、次に大切になるのが植え付けの時期と土づくりです。植え付けに最も適しているのは、寒さがやわらぐ2月下旬から4月ごろです。真冬に植えると根の活着が悪く、寒さで傷むおそれがあるため避けたほうがよいでしょう。

土については、びわの根が酸素を好む性質を持つため、通気性と水はけのよさが何よりも重要になります。自分で配合するなら、硬質の赤玉土を7〜8割、腐葉土やバーク堆肥を2〜3割混ぜるとよいバランスに仕上がるでしょう。配合が面倒に感じる場合は、市販の果樹用培養土を使えば手軽で失敗も少なくなります。びわは弱酸性から中性の土を好みますが、市販の培養土なら酸度の調整もほとんど必要ありません。

逆に、水はけの悪い土に植えると根が呼吸できず、根腐れを起こしやすくなります。根腐れは、酸素が不足して土の中で腐敗が進む生理障害で、いったん起こすと立て直しに時間がかかります。植え付けの段階で水はけのよい環境を整えておくことが、後々のトラブルを避ける一番の近道です。

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鉢は7〜8号(直径21〜24センチ)を用意し、鉢底ネットと軽石を敷いてから用土を入れます。ここで気をつけたいのが植え付けの深さです。接ぎ木部分が土に埋もれると酸素不足になりやすいので、深植えは避けてください。太い直根は切らずに扱い、根鉢を大きく崩さないこともポイントになります。

鉢の素材にも目を向けてみてください。通気性や水はけに劣る一般的なプラスチック鉢よりも、素焼き鉢やテラコッタ鉢、側面にスリットが入って根の巻きぐせを防ぐ機能性ポットを使うと、根の健康を保ちやすくなります。一方で、素焼き鉢は乾きが早く水やりの回数が増える面もあるため、置き場所や生活リズムに合わせて選ぶとよいでしょう。

植え付けが終わったら、鉢底から水が勢いよく流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。こうすることで土と根がしっかり密着し、根が新しい環境になじみやすくなります。

冬越しの寒さ対策と置き場所

びわは真冬に花を咲かせ、小さな幼果の状態で冬を越すという珍しい性質を持っています。木そのものはマイナス10度ほどまで耐えますが、花や幼果はマイナス3度を下回ると凍死して落ちてしまいます。だからこそ、冬の寒さ対策が収穫の可否を左右する大きなカギになるのです。

鉢植えの最大の強みは、寒波が来たときに鉢ごと暖かい場所へ移動できることです。地植えでは経済的な栽培の北限が関東地方あたりとされますが、鉢植えなら東北や北陸の寒冷地でも、厳寒期に日当たりのよい室内の窓辺や軒下へ避難させることで冬越しと結実が可能になります。

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気温がマイナス3度を下回りそうな日は、鉢を室内や軒下へ移動させると幼果の凍死を防げます。

そもそもびわは、多くの果樹が花を落とす真冬に開花する、めずらしいライフサイクルの常緑樹です。晩秋から冬に花を咲かせ、幼い果実のまま寒い季節を耐え抜き、初夏に甘く色づきます。この性質を知っておくと、なぜ冬の温度管理が収穫を左右するのかが腑に落ちるはずです。

置き場所は、年間を通して1日6時間以上の直射日光が当たる場所が理想です。日照が足りないと果実に糖分がたまりにくく、味の薄いびわになってしまいます。日陰でも枝葉は育ちますが、肝心の実がおいしく育たないため、日当たりの確保は妥協したくないポイントです。

ただし、真夏の強い日差しには別の注意が必要です。鉢の中の温度が上がりすぎると根がダメージを受けるため、夏だけは半日陰へ移すか、鉢の側面を遮光してあげるとよいでしょう。季節によって置き場所を柔軟に変えられるのも、鉢植えならではの強みです。冬の寒さ対策と夏の暑さ対策、この両方を意識するだけで、寒い地域でも甘い実にぐっと近づけます。

ベランダ栽培の日当たりと強風対策

マンションのベランダでびわを育てる場合、日当たりと並んで警戒したいのが、強風や台風による鉢の転倒です。転倒は枝折れや落果を招くだけでなく、傷口から病原菌が入り込むきっかけにもなります。

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まず日当たりについては、前述の通り1日6時間以上の直射日光が基本になります。ただし、真夏の強烈な日差しは鉢の中の温度を異常に上げ、根を傷めることがあります。夏場だけは半日陰へ移すか、遮光ネットで鉢の側面を守るとよいでしょう。

強風対策の考え方は、重心を下げる、風の逃げ道をつくる、ゆるやかに固定する、という三つに集約されます。台風が近づいたら、高い位置に置いた鉢を床へ下ろします。壁にぴったり付けると、壁に当たった風が乱れて鉢を巻き上げる力になってしまうため、壁から数センチ離すのがコツです。樹形の重心が高い場合は、あらかじめ鉢を横に寝かせておくと、突風による転倒の衝撃をやわらげられます。

鉢を重くするだけでは、強風で倒れてしまうことがあります。鉢底と床の間に空間をつくり、支柱やフェンスへロープでゆるく固定すると、転倒をより防ぎやすくなります。

高層階ほど風は強くなります。あなたのベランダは、風の通り道になっていませんか。設置場所の風の流れを一度確かめておくと、いざというときに慌てずに済みます。

びわの育て方は鉢植えの手入れが鍵

びわの育て方は鉢植えの手入れが鍵

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  • 水やりと肥料の与え方のポイント
  • 実がならない原因は窒素過多だけ?
  • 剪定の時期と花芽の見分け方
  • 摘蕾と摘果で果実を大きく育てる
  • 袋かけで果実を守る方法
  • がん腫病と害虫の防除対策
  • 根詰まりを防ぐ植え替えのコツ

水やりと肥料の与え方のポイント

鉢植えのびわを健康に保つうえで、水やりと施肥の基本を押さえることは欠かせません。水やりの鉄則は、土の表面が乾いてから、鉢底に水が流れ出るまでたっぷり与えるというメリハリのあるやり方です。びわは乾燥に比較的強い一方で、常に土が湿った状態を嫌います。

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初心者がやりがちな失敗が、表面だけを濡らす浅い水やりです。表面が湿っていても内部が乾いていると、水は乾いた土を避け、鉢の壁ぎわのすき間だけを通り抜けて流れ落ちてしまいます。この状態が続くと、見た目には水を与えているつもりでも根が吸水できず、葉が水分不足で枯れてしまうのです。乾いた割り箸を土の奥まで差し込み、抜いて湿り気を指で確かめる方法が役立ちます。

季節ごとの注意点もあります。真夏は蒸散が激しく、朝夕2回の水やりが必要になることもありますが、日中の炎天下では鉢の水が熱くなって根を傷めるため避けましょう。逆に真冬は、夕方以降に与えると夜間の冷え込みで凍結する危険があるので、暖かい日中に行うのが安全です。

肥料は原則として年3回に分けて施します。限られた土の中で実をつけ続けさせるには、計画的な養分の補給が欠かせません。

時期 目的 肥料の種類
2〜3月(春肥) 根の活動再開と果実の肥大 緩効性の有機質肥料や化成肥料
6〜7月(お礼肥) 収穫で消耗した樹勢の回復 即効性の化成肥料
9〜11月(秋肥) 花芽の分化と冬越しの体力蓄積 リン酸とカリウムを多く含む肥料

それぞれの時期で役割が違う点を意識すると、施肥の効果がぐんと高まります。春の肥料は一年の生育の土台となり、収穫後のお礼肥は疲れた木を立て直す役目を担います。そして秋の肥料が、翌年の花芽づくりと冬越しの体力を支えてくれるのです。与える量は肥料の表示に従い、多ければよいという考えは禁物です。鉢という限られた環境では、与えすぎが根を傷める原因にもなりかねません。

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実がならない原因は窒素過多だけ?

せっかく育てても実がつかない、という悩みは鉢植えのびわで非常に多く聞かれます。原因は一つではなく、いくつも重なっていることが少なくありません。代表的なものの一つが、窒素分の与えすぎです。窒素の多い肥料を使いすぎると、木は枝葉ばかりを茂らせ、花芽をつけなくなる、つるぼけと呼ばれる状態に陥りやすくなります。

理由を簡単に言えば、栄養が枝葉の成長に偏り、実をつける方向へ向かわなくなるからです。油かすを多用している場合などは特に起こりやすいので、肥料の成分表示にあるN・P・Kの比率を確認しましょう。花芽の形成にはリン酸が重要とされているため、リン酸を多く含む果樹用の肥料を選ぶと結実しやすくなります。

実がつかない原因は、窒素過多だけではありません。剪定で花芽を切ってしまった、摘果不足で隔年結果に陥った、冬の寒さで幼果が落ちた、といった要因も考えられます。ほかにも、まだ結実する年齢に達していない若木である、日照が足りない、開花期の悪天候で受粉がうまくいかなかった、根詰まりで樹勢が落ちている、なども原因になり得ます。

特に見落とされやすいのが、隔年結果と呼ばれる現象です。ある年にたくさん実らせすぎると、木が養分を使い果たし、翌年はほとんど実がつかなくなります。1年おきに豊作と不作をくり返すこの状態は、後述する摘果をきちんと行うことで防げます。木に無理をさせず、毎年ほどよい量を実らせる意識が大切です。

言ってしまえば、実がならないときは窒素過多と決めつけず、肥料・剪定・摘果・寒さ・株の若さ・日照といった複数の要因を順に見直すことが解決への近道になります。心当たりのある点から一つずつ改善していくと、翌年の実つきが変わってくるはずです。

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剪定の時期と花芽の見分け方

鉢植えをコンパクトに保ち、毎年安定して収穫するには剪定が欠かせません。ただし、時期と切る場所を間違えると翌年まったく花が咲かなくなるため、まずは花芽のしくみを理解しておくことが先決です。

びわの花芽は、その年の春から夏に新しく伸びた枝の先端につきます。6月ごろに伸びた枝の先へ7〜8月に花芽ができ、9月ごろには目で見える蕾になります。したがって、夏以降に枝先を切り詰めると、せっかく育った花芽を落としてしまうのです。

木の状態で変わる剪定の適期

まだ実をつけていない若木は、花の有無を目で確認できる2〜3月の開花期が適期です。花が咲いている枝を見ながら作業できるので、大切な花芽をうっかり切ってしまう失敗を避けられます。一方、すでに実をつける成木は、収穫直後の6〜7月上旬か、花芽を確認できる8月下旬〜9月に行います。木の成熟度によって最適なタイミングが変わる点を覚えておきましょう。

鉢植えでは変則主幹形という仕立て方が扱いやすく、目標の高さで先端を切る芯止めによって上への成長を止めます。上へ伸びる力を止めると養分が下の枝へ回り、手の届く範囲に枝を広げられるようになります。

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びわは1か所から4〜5本の枝が車輪状に出る車枝という特徴を持ちます。枝が密集すると風通しと日当たりが悪くなり、病害虫の温床になりかねません。中心の短い枝と外向きの方向のよい枝を合わせて2〜3本だけ残し、内向きの枝や交差した枝、真上に勢いよく伸びる徒長枝は付け根から切り落とす間引き剪定を心がけましょう。太い枝の切り口には、病原菌の侵入を防ぐため癒合剤を塗っておくと安心です。なお、一度に大きく切り詰める強剪定は樹勢を弱め、かえって徒長枝を増やすため、数年かけて段階的に整えるのが安全です。

摘蕾と摘果で果実を大きく育てる

摘蕾と摘果で果実を大きく育てる

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びわは一つの花房に100個以上の蕾をつけることもある多産な果樹です。すべてを実らせると養分が分散し、種と皮ばかりの小さな実になってしまいます。さらに木が疲れ、翌年に実がつかない隔年結果の原因にもなります。だからこそ、蕾や実を計画的に減らす作業が重要になるのです。

作業は段階を踏んで進めていきます。まず10〜11月の開花前に、弱い枝や混み合った花房を房ごと落とす摘房を行い、新梢2本につき1房を目安に整理します。次に、残した花房の先端と根元を切り、中間の段の蕾だけを残す摘蕾へと移りましょう。こうすることで、開花に使われる余分なエネルギーを大きく節約できます。

春になり実が親指大にふくらんだら、最後の摘果です。残す果実の数は、葉の枚数と品種の特性で決めます。一般的には果実1個あたり葉25枚ほどが理想の目安とされています。

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品種のタイプ 残す果実の数の目安
茂木などの中果品種 1果房に3〜5果
田中・クイーン長崎などの大果品種 1果房に1〜3果
極大果を狙う場合 1果房に1〜2果

摘果では、傷のある実や上向きの実を優先して落とし、下向きにぶら下がった元気な実を残すと、見栄えのよい大きな果実に育ちます。

数を減らす作業に、もったいないと感じる方もいるかもしれません。しかし、たくさんの実を残すほど一つひとつは小さくなり、味も薄くなります。前述の通り、木の消耗による隔年結果も招きます。むしろ思い切って減らすことが、大きく甘い果実と毎年の安定収穫の両方を手に入れる近道になるのです。

手間はかかりますが、この一手間が甘く大きなびわにつながります。冷酷なほど思い切って減らすくらいが、ちょうどよい結果を生むと覚えておいてください。

袋かけで果実を守る方法

摘果を終えたら、できるだけ早く果実に袋をかけましょう。袋かけは、害虫の産卵や鳥による食害を防ぎ、果皮の擦れ傷や病気からも実を守る大切な作業です。市販のびわ用果実袋を使えば、手軽に始められます。

袋かけをすすめる理由は、びわの果実がモモチョッキリゾウムシなどの害虫に狙われやすく、無防備なままだと収穫前に傷んでしまうからです。袋で覆うことにより、農薬に頼りすぎず果実を清潔に保てます。せっかく摘果で数をしぼった実を、確実に収穫まで守り抜くための工程だと考えてください。

果実腐敗の対策として、袋かけ前に殺菌剤を使う方法も知られています。ただし農薬は、対象作物・病害・希釈倍率・使用時期・使用回数などが登録内容で細かく定められています。使う際は、びわに登録された農薬だけを選び、ラベル記載の希釈倍率、使用時期、使用回数、収穫前日数を必ず守ってください。手元にある任意の薬剤を流用するのは避け、使用の前に最新の登録内容を確認することが大切です。産地資料によると、果実腐敗の防除は開花直前から開花終期にかけて、登録薬剤を適切な間隔で使う体系が示されているとされ、一度散布すれば十分とは限らない点にも留意しましょう。

袋をかける時期は、実が親指大にふくらんで摘果を終えた3〜4月ごろが目安になります。早すぎると小さな実に袋が合わず、遅すぎると害虫や鳥に先を越されてしまいます。実が下向きにぶら下がった状態で、房ごとやさしく包み、口をしっかり留めましょう。強い風で袋が飛ばされないよう、留め方にも少し気を配ると安心です。

一方で、袋かけには手間がかかり、房の数が多いほど時間を要します。とはいえ、鳥に食べられて収穫がゼロになる事態を思えば、かける価値は十分にあると言えるでしょう。せっかくここまで手をかけて育てた実です。最後のひと工夫で、収穫の喜びを確実なものにしてください。

がん腫病と害虫の防除対策

びわは比較的丈夫な果樹ですが、油断すると木を枯らす病害虫が発生します。特に注意したいのが、がん腫病という細菌性の病気と、根を食べるコガネムシの幼虫です。どちらも早めの対処が被害を最小限に抑えるカギになります。

がん腫病は、剪定の切り口や風で擦れた傷、害虫の噛み傷などから細菌が侵入し、枝や幹にゴツゴツとしたこぶをつくる病気です。進行すると、こぶから先の枝葉が枯れてしまいます。細菌が枝の内部にひそむため完全に治すのは難しく、こぶを見つけたら感染部より下から枝を切り落として処分するのが基本です。切り取った枝は園内に放置せず、地域のごみ出しルールに従って処分してください。家庭での野外焼却は、条例や廃棄物処理の規制に触れる場合があるため、自治体の案内を必ず確認しましょう。予防としては、切り口へ癒合剤を塗ることや、強風による枝の擦り傷を防ぐことが有効です。なお、自治体の病害虫資料によると、無機銅水和剤などの登録薬剤による防除が示されている場合もあるとされ、癒合剤だけが対策のすべてではありません。いずれにしても、傷をつくらない工夫が予防の土台になります。

水やりは足りているのに葉が茶色く枯れ、幹を揺らすとぐらつく場合、コガネムシの幼虫が土の中で根を食べている可能性があります。放置すると木ごと枯れてしまうこともあります。

コガネムシ対策には、鉢土の表面をヤシ繊維のマットや防草シートで覆い、成虫の産卵を防ぐ方法があります。すでに幼虫の被害が深刻な場合は、鉢から株を抜き、古い土と幼虫を洗い落として新しい用土に植え替える思い切った処置が必要になることもあります。

灰斑病は葉に灰色の斑点が出る病気で、開花期に花房へ感染すると、収穫期になって果実の腐敗を引き起こします。開花期に鉢を軒下へ移して雨を避けることが、有効な予防になります。また、幹に木くずのような糞が見られたら、幹の内部を食い進むカミキリムシの幼虫を疑い、食入した穴へ専用の殺虫剤を注入して早めに駆除しましょう。落ち葉は病気の発生源になりやすいので、こまめに片づけておくことも大切です。

根詰まりを防ぐ植え替えのコツ

鉢植え栽培で見落とされがちなのが、定期的な植え替えです。びわは根の伸びが速く、数年放っておくと鉢の中が根でいっぱいになる根詰まりを起こします。根詰まりが進むと、下葉が枯れ落ち、新芽の展開も止まってしまうのです。

根詰まりのサインは、いくつかあります。鉢底の穴から根が飛び出している、水を与えても土になかなかしみ込まず表面にたまる、下葉が乾いて落ちる、といった変化が見られたら植え替えのタイミングです。放っておくと土の中の栄養と酸素が枯れ、生育そのものが止まってしまいます。

これを防ぐため、2〜3年に1度、春先に一回り大きな鉢へ植え替えます。根を傷つけないよう株を抜き、新しい土に植え替えるのが基本です。手順は苗の植え付けとほぼ同じで、接ぎ木部分を埋めない、深植えを避けるといった点も共通しています。

10号鉢など、これ以上大きくできないサイズになったら、根鉢の外側の古い土を3分の1ほどほぐし落とし、古い根を軽く整理して同じ鉢に戻す方法があります。

植え替えに適したタイミングは、寒さがやわらぐ2〜3月です。厳しい寒さの時期や、根が活発に動く真夏は避けたほうが無難でしょう。手間に感じるかもしれませんが、土の状態を新しく保つことこそが、長く元気に実をつけさせる秘訣になります。あなたの鉢は、根が回りすぎてはいませんか。数年育てているなら、一度株元をのぞいてみてください。

鉢植えのびわは、少し手をかけるほど期待に応えてくれる果樹です。品種選びから冬越し、剪定、摘果まで、一つずつ丁寧に積み重ねていけば、ベランダでも甘い実を毎年味わえます。今年からできることを、ぜひ一つ始めてみてください。

総括:びわの育て方は鉢植えが正解!品種選びから剪定・収穫のコツまで

  • びわは鉢植えなら樹高2〜3メートルに抑えられ手入れがしやすい
  • 根域が制限されることで実つきがよくなるのが鉢植えの利点
  • 初心者には育てやすい茂木、寒い地域では耐寒性が高めの田中が候補
  • 田中でも花や幼果は寒害を受けるため寒冷地では防寒が必要
  • 種から育てる実生栽培は実がなるまで8〜10年かかる
  • 早く収穫したいなら植え付け2〜3年で実がなる接ぎ木苗を選ぶ
  • 植え付けの適期は寒さがやわらぐ2月下旬から4月
  • 用土は水はけと通気性を重視し赤玉土を主体に配合する
  • 幼果はマイナス3度で凍死するため冬は暖かい場所へ移動する
  • 年間を通して1日6時間以上の直射日光が甘い実づくりの条件
  • ベランダでは強風対策を徹底し鉢の転倒を防ぐ
  • 水やりは土が乾いてからたっぷり与えるメリハリが大切
  • 実がつかない原因は窒素過多や剪定ミスなど複数が重なる
  • 花芽は新梢の先端につくため剪定の時期を誤らない
  • 摘蕾と摘果で隔年結果を防ぎ大きな果実を育てる
  • 摘果後は袋かけで害虫や鳥から果実を守る
  • がん腫病やコガネムシは予防と早期の対処が肝心
  • 2〜3年に1度の植え替えで根詰まりを防ぎ長く楽しむ
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