つるありインゲン栽培の摘心は必要?時期と方法のポイント解説

つるありインゲン栽培の摘心は必要?時期と方法のポイント解説

家庭菜園で人気のつるありインゲンですが、栽培していると摘心について気になることがありますね。長く伸びるつるが特徴のつるありインゲン、その栽培で摘心は本当に必要なのでしょうか。もし行うとしたら、つるありインゲンの摘心時期はいつが適切で、摘芯の方法は具体的にどうすれば良いのか、迷う方もいるかもしれません。

この記事では、つるありインゲンの栽培と摘心に関して、その必要性を判断するポイントから、適切なタイミングや正しいやり方、そして重要な種まき時期を含めた基本的な栽培の仕方まで、幅広く解説していきます。適切な管理で、美味しいインゲンを長くたくさん収穫するためのヒントがここにあります。

  • つるありインゲンの摘心が自分の栽培状況で必要かどうかの判断基準
  • 品種や生育状況に合わせた、最適な摘心のタイミングの見極め方
  • 株へのダメージを抑える正しい摘心の手順と具体的な注意点
  • 摘心と栽培管理を組み合わせて収量を増やすための実践的なコツ
目次

つるありインゲンの栽培において摘心は必要なのか

  • つるありインゲンとは何か
  • つるありインゲンの摘芯が必要なケース
  • つるありインゲンの摘芯のタイミング
  • つるありインゲンの摘芯の方法

つるありインゲンとは何か

つるありインゲンとは、その名の通り、長いつるを伸ばしながら成長するインゲンの品種です。草丈が1.5〜2m以上になるため、支柱やネットを使った誘引が必須です。

最大の特徴は栽培期間と収穫期間の長さです。つるなし種より収穫開始までに時間がかかりますが、一度収穫が始まると約1ヶ月以上の長期間にわたって収穫できます。種まきから開花までは約35〜45日、収穫開始までは65〜70日程度です。

原産地は中央アメリカで、マメ科インゲンマメ属の一年草です。日本では主に未熟なサヤを食べるサヤインゲンとして栽培されています。βカロテン、ビタミンC、ビタミンB群、食物繊維、カルシウムなどの栄養素を豊富に含んでいます。

生育適温は15〜25℃、発芽適温は23〜25℃前後です。25℃以上では花が落ちやすく、30℃以上では莢になりにくいため、収穫期が真夏の高温期にならないよう種まき時期を調整しましょう。

側枝(子づる・孫づる)が多く発生するため、収量が多くなります。このため、適切な誘引と整枝管理が必要です。マメ科特有の性質として根に根粒菌が共生して窒素を固定しますが、インゲンは他のマメ科植物より肥料をよく吸収します。

一方、「つるなし種」は草丈が50〜60cm程度と低く、栽培期間も収穫期間も短いのが特徴です。限られたスペースでの栽培や短期間で収穫したい場合に適しています。

特徴一覧

  • サイズ・期間: 草丈1.5m以上、収穫期間約1ヶ月
  • 生育条件: 発芽適温23〜25℃、生育適温15〜25℃
  • 栽培特性: 支柱必須、側枝発生が旺盛
  • 生育日数: 開花まで35〜45日、収穫まで65〜70日

つるありインゲンの摘芯が必要なケース

つるありインゲンの摘芯が必要なケース

つるありインゲンの摘芯は必ずしも全ての栽培で必要な作業ではありません。摘芯(ピンチとも呼ばれる)は、つるの先端を摘み取ることで脇芽の発生を促し、つるの伸長を止める効果があります。

摘芯が必要となるケースは主に二つあります。一つ目は草丈が大きくなりすぎた場合です。つるあり品種は摘芯をしないと2m以上に成長することも。特に肥沃な土壌や肥料過多でつるボケした場合、つるが支柱を超えると管理が困難になります。このような状況では、親づるが支柱の高さを超えたら摘芯し、子づるも同様に支柱の高さを超えたら摘芯します。

二つ目は、元々分枝が少ない品種(「ゴールデンライナー」など)を栽培している場合です。これらの品種はつるが上部に早く伸び、側枝の成長が遅いため下部がスカスカになります。本葉5〜6枚、つるが70〜100cmほどの段階で早めに摘芯すると、子づるの発生が促され収穫量の増加につながります。

一方、分枝が多い一般的なつるあり品種では、側枝の発生が旺盛なので摘芯をしなくても収穫量にあまり影響しません。また、半つる性の品種を早めに摘芯すると、低節位から着莢して地面に接触し、曲がり莢になる可能性があります。これらの品種は草丈が支柱を超えるまで摘芯を控えましょう。

摘芯の方法は、つるの先端を手でひねり取るかハサミでカットするだけです。ハサミを使う場合は、病気の伝染を防ぐために必ず消毒をしておきましょう。

つるありインゲンの摘芯の必要性は、品種特性、栽培環境、管理のしやすさを考慮して判断します。必須の作業ではありませんが、適切なタイミングで摘芯することで収穫量の増加や管理のしやすさといったメリットが得られます。

摘芯が必要な状況

  • 管理上の理由: 支柱を超える草丈、つるボケ防止
  • 品種特性: 分枝の少ない品種(例:ゴールデンライナー)
  • 時期による調整: 半つる性品種は支柱を超えるまで控える

つるありインゲンの摘芯のタイミング

つるありインゲンの摘芯タイミングは、品種や栽培目的によって変わります。適切なタイミングで摘芯すると収穫量を増やし、管理しやすい樹形に整えられます。

一般的なつるあり品種では、つるが支柱やネットの上端に達したときが摘芯の好機です。通常、支柱の高さは手が届く範囲(約1.5~2m)に設定されているので、つるがこの高さを超えたら摘芯します。これにより、これ以上つるが伸びて管理が難しくなるのを防げます。

分枝が少ない品種(ゴールデンライナーなど)は早い段階での摘芯が効果的です。具体的には、本葉5~6枚、つるの長さ70~100cmになったころが適期です。早めに摘芯することで下部の節からの側枝(子蔓)発生を促し、下部がスカスカになるのを防ぎます。

子蔓も同様のルールで管理します。子蔓が支柱の高さを超えたら摘芯して、さらに脇芽の発生を促します。ただし、すべての子蔓を一度に摘芯せず、株に負担がかからないよう少しずつ行いましょう。

半つる性品種は注意が必要です。早めに摘芯すると低節位から莢がつき、地面に接触して曲がる可能性があります。これらの品種は、草丈が支柱を超えるまで摘芯を控えます。

摘芯のタイミングは植物の生育状態も考慮します。葉色が濃く生育が旺盛な場合は、つるボケを防ぐために早めに摘芯しましょう。反対に生育が遅い場合は、植物体に十分な栄養が行き渡るよう摘芯のタイミングを遅らせるのも一案です。

季節や気候も摘芯のタイミングに影響します。高温期には生育が旺盛になりがちなので、やや早めの摘芯が効果的です。一方、生育が緩やかな時期には摘芯のタイミングを少し遅らせても問題ありません。

どのタイミングでも大切なのは植物の様子をよく観察することです。画一的なルールより、植物の生長具合や畑の状況に合わせて柔軟に対応することが成功の鍵です。

摘芯タイミングの目安

  • 品種別: 一般品種は支柱の高さで、分枝少ない品種は本葉5~6枚時
  • 生育状況: 旺盛なら早め、弱いなら遅めに調整
  • 子蔓管理: 支柱高さを超えたら適宜摘芯
  • 特殊条件: 半つる性品種は支柱を超えるまで待つ

つるありインゲンの摘芯の方法

つるありインゲンの摘芯の方法

つるありインゲンの摘芯は簡単な作業ですが、正しい方法で行うことでダメージを最小限に抑え、効果を最大化できます。具体的な手順とコツを紹介します。

摘芯の基本的な方法は二通りあります。一つは手でつるの先端をひねり取る方法です。道具が不要で簡単ですが、茎が硬い場合は少し力が必要です。つるの先端を親指と人差し指でつまみ、軽くひねって折り取ります。

もう一つはハサミを使う方法です。ある程度成長したつるや硬くなったつるに適しています。剪定ハサミや園芸用ハサミを使用しますが、病気の伝染を防ぐため、使用前にアルコールなどで必ず消毒しましょう。

摘芯する位置は生長点がある茎の先端部分です。具体的には、一番上の若い葉の付け根から約1cm上をカットします。あまり下の位置でカットすると脇芽の発生が抑制されるので注意が必要です。

摘芯は植物へのストレスを避けるため、晴れた日の午前中に行うのが理想的です。気温が高すぎる時間帯や雨の日、風の強い日は避けましょう。摘芯後は水分が蒸発しやすくなるため、必要に応じて適切な水やりを行います。

摘芯は親づるだけでなく子づるや孫づるにも適用します。子づるも支柱の高さを超えたら摘芯し、バランスよく誘引して日当たりを確保します。ただし、全てのつるを一度に摘芯せず、株への負担を考えて計画的に行いましょう。

つるの誘引と摘芯を組み合わせると効果的な栽培が可能です。つるをネットや支柱に誘引する際は均等な間隔を保ち、葉が重ならないようにします。これにより日光が十分に当たり風通しも良くなるため、健全な生育と病害虫の予防につながります。

摘芯後は脇芽の発生を促すために十分な水と適量の肥料を与えましょう。特に花が咲き始めたころと収穫が始まったころの追肥が実の充実につながります。

効果が表れるまでには数日から1週間ほどかかります。その間、植物の様子を観察し、必要に応じて水やりや追肥などのケアを行いましょう。適切な摘芯と管理で収穫量を最大化し、長期間の収穫を楽しめます。

摘芯のテクニック

  • 基本手法: 手でひねるか消毒済みハサミでカット
  • 切る位置: 若葉の付け根から1cm上(先端部分)
  • タイミング: 晴れた午前中、強風・高温・雨天は避ける
  • 計画的管理: 親づる・子づるを段階的に処理
  • 追加ケア: 摘芯後の水やりと適切な追肥

つるありインゲン栽培・摘芯:種まきから収穫までのポイント

  • つるありインゲンの種まき時期と土づくり
  • つるありインゲンの仕立て方と誘引
  • つるありインゲンの水やりと追肥のポイント
  • つるありインゲンの収穫時期と方法
  • つるなしインゲンとの違いとプランター栽培

つるありインゲンの種まき時期と土づくり

つるありインゲンの種まきは時期が重要です。基本的には春まきと夏まきの2回の時期があります。春まきは4月下旬〜5月上旬、夏まきは8月中旬頃が適しています。発芽適温は23〜25℃で、生育適温は15〜25℃です。

春まきでは、遅霜の心配がなくなってからタネをまくことがポイントです。各地域の目安として「藤の花が開花する頃」が適していると言われています。早すぎると低温で発芽不良を起こし、遅すぎると収穫期が真夏の高温期と重なり、花が落ちやすくなります。特に25℃以上では花が落ちやすく、30℃以上では莢にならないため、収穫期が夏の暑さのピークと重ならないよう調整するのが理想的です。

夏まきの場合は、10〜11月の収穫を目指します。ただし、地域によって適期は異なるため、お住まいの地域の気候に合わせて調整しましょう。

土づくりはインゲン栽培の成功を左右する重要なポイントです。つるありインゲンは有機質が多く、水はけの良い土壌を好みます。まず基本として、連作障害を避けるために、過去2〜3年間マメ科の植物(インゲン、エダマメ、エンドウ、ソラマメなど)を栽培していない場所を選びましょう。

土づくりの手順としては、まず植え付け予定の2週間前に苦土石灰を施します。目安は1平方メートルあたり100g程度です。インゲンは酸性土壌を嫌うため、pH6.0〜6.5の弱酸性〜中性の土壌に調整します。苦土石灰を施した約1週間後に、完熟堆肥(牛糞や馬糞など)を1平方メートルあたり1〜2kg程度施し、よく混ぜ込みます。

その後、さらに元肥として化成肥料を1平方メートルあたり50〜150g程度施し、クワなどでよく耕し、畝を立てます。つるあり種の場合は、畝幅100〜120cm、高さ5〜10cmの畝を作り、株間は30〜40cm程度が適切です。水はけの悪い土壌では、畝の高さを15〜20cmほどにして湿害を防ぎます。

プランター栽培の場合は、深さが30cm以上のものを選び、底に軽石などを敷いて排水をよくします。市販の野菜用培養土を使用する場合は、あらかじめ元肥が含まれていることが多いので、追加の元肥は必要ありません。自分で配合する場合は、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1の割合で混合するのがおすすめです。

種まきの方法は、ヘソが下になるように2cm程度の深さに植えつけ、3〜4粒をばらまきます。発芽後、初生葉が開いたら間引きをして、元気のよい株を2本残して2本立てにするとよいでしょう。2本立てにするとお互いが支え合う形で成長するので、倒伏を防ぐ効果があります。

発芽前の水やりは控えめにします。種は湿りすぎると腐りやすいため、土が湿っているようであれば水やりは控えましょう。また、種が鳥に食べられないように、発芽までは不織布などで覆うことをおすすめします。

種まき時期と土づくりのポイント

  • 春まき:4月下旬〜5月上旬(遅霜の心配がなくなってから)
  • 夏まき:8月中旬(10〜11月収穫向け)
  • 発芽適温:23〜25℃
  • 生育適温:15〜25℃
  • 土壌pH:6.0〜6.5
  • 連作を避ける:過去2〜3年マメ科を栽培していない場所を選ぶ
  • 2週間前:苦土石灰を施す
  • 1週間前:完熟堆肥と元肥を施す
  • 水はけの良い土壌に調整

つるありインゲンの仕立て方と誘引

つるありインゲンの仕立て方と誘引

つるありインゲンは、その名の通り長いつるを伸ばして成長するため、適切な仕立て方と誘引が収穫量を大きく左右します。基本的な仕立て方を知り、効率的に栽培しましょう。

つるありインゲンの仕立て方にはいくつかの方法がありますが、最も一般的なのは支柱を立ててネットを張り、そこにつるを誘引する方法です。つるが伸び始める本葉4〜5枚の頃までに、支柱を立ててキュウリ用のネットなどを張っておきましょう。支柱の高さは1.5〜2m程度が理想的です。なるべく手が届く範囲に収まる高さにすると、収穫や管理がしやすくなります。

ネットを張る際は、目の大きさが10cm角程度のものを選ぶとつるが絡みやすくなります。ネットは縦方向に張るだけでなく、少し斜めに張ると葉の重なりが少なくなり、日当たりや風通しがよくなります。家屋やマンションのベランダなどでは、日よけを兼ねたカーテン状に仕立てる方法も人気があります。

誘引は、つるが伸びてきたらネットに沿わせるように行います。つるは時計回りに巻き付く性質があるので、その特性を活かしながら誘引します。特に初期の誘引は丁寧に行い、つるがネットから外れないようにしましょう。風の強い日はつるが折れやすいので、なるべく風の穏やかな日に作業を行います。

親づるが支柱の先端まで伸びたら摘心します。摘心することで側枝(子づる)の発生を促進し、収量を増やすことができます。ただし、「どっさり」のような節間が短く、自然に子づるが発生しやすい品種では、親づるの摘心は基本的に不要とされています。

子づるも伸びて支柱の先端に達したら同様に摘心します。子づるの誘引では、親づるとの間隔を適度に開けて配置すると、葉の重なりが少なくなり光合成効率が上がります。過密になりすぎると光不足で莢付きが悪くなり、風通しも悪くなるため病害虫が発生しやすくなります。

整枝においては、下段の子づるをどう扱うかも重要です。「どっさり」のような品種では、下段4節までの子づるは除去することで、上部の子づるにエネルギーを集中させる方法があります。また、枝葉が混み合う部分では、適宜側枝の除去や摘葉を行い、風通しと日当たりを確保します。

摘葉は1番莢を収穫する頃から始めるとよいでしょう。古い葉や日の当たらない葉は黄化して光合成が鈍化するため、株の草勢を維持するために適宜摘葉を行います。ただし、一度に多くの葉を摘むと株に負担がかかるので、少しずつ行うようにしましょう。

誘引の際には、つるの間隔が均等になるように配慮し、すべてのつるに光が十分に当たるようにします。また、莢が地面に接触して曲がり莢になるのを防ぐため、低い位置からの誘引も丁寧に行いましょう。

仕立て方と誘引のポイント

  • 支柱の高さ:1.5〜2m程度
  • ネットの目の大きさ:10cm角程度
  • 誘引開始時期:本葉4〜5枚、つるが伸び始める頃
  • 親づるの摘心:支柱の先端まで伸びたら
  • 子づるの誘引:親づるとの間隔を適度に開ける
  • 摘葉:1番莢収穫頃から徐々に行う
  • 整枝:下段の子づるの除去や混み合う部分の調整

つるありインゲンの水やりと追肥のポイント

つるありインゲンの水やりと追肥は時期に応じた適切な管理が重要です。成長段階ごとの基本ポイントを押さえて健康な株を育てましょう。

発芽前の水やりは控えめにします。種まき直後に一度たっぷり水を与えたら、その後は発芽するまで水やりを控えめに。インゲンの種は湿りすぎると腐りやすいため、土が湿っている場合は水やりを控えます。

発芽後は土の表面が乾いたら水やりをします。つるありインゲンはある程度の乾燥には耐えますが、開花期以降の水切れには特に注意が必要です。花が咲き始めてから莢が肥大する時期に水不足になると、花が落ちたり莢が曲がったりします。特に梅雨明け後の高温乾燥期には、朝や夕方の涼しい時間帯に株元にたっぷりと水を与えましょう。

水やりは株元の土に直接行います。葉に水がかかると病気の発生リスクが高まるため避けます。水は少量ずつ頻繁にではなく、一度にしっかりと与えるのが効果的です。

追肥はつるありインゲンの長期収穫に欠かせません。1回目は花が咲き始めたころ、2回目は収穫が始まったころ(1回目の約2週間後)に行います。1株あたり15g程度の化成肥料を株の周りにばらまき、軽く土と混ぜて株元に土寄せします。

注意したいのは肥料の種類と量です。マメ科植物の根には根粒菌が共生し窒素を固定しているため、窒素過多になるとつるボケして実がつきにくくなります。窒素(N)よりリン酸(P)やカリウム(K)の比率が高い肥料を選び、豆専用肥料を使うのも効果的です。

追肥時は植物の状態をよく観察しましょう。葉色が薄く生育が遅い場合は追肥が必要ですが、葉色が濃く生育が良好なら量を減らすか見送ります。肥料過多でつるボケした場合は、株元から30cmほど離れた位置で根を切り、栄養吸収を抑えると花や実の量が増えることもあります。

プランター栽培では肥料が流れやすいため、地植えより追肥頻度を増やします。液体肥料を水やり代わりに与えたり葉面散布する方法も有効です。

水やり・追肥の基本

  • 発芽期: 種まき直後は十分な水分、その後は控えめに
  • 生育期: 表面乾燥時に株元へ直接水やり
  • 追肥時期: 開花時と収穫開始時の2回が基本
  • 肥料選び: 窒素より、リン酸・カリウム重視の配合
  • 観察管理: 葉色や生育状況に応じた調整が重要

つるありインゲンの収穫時期と方法

つるありインゲンの収穫時期と方法

つるありインゲンの収穫は適切なタイミングで行うことで美味しさと収量を最大化できます。収穫の時期と方法を詳しく見ていきましょう。

収穫開始時期は種まきから約65〜70日後、花が咲いてから約10〜15日後が目安です。莢の長さが12〜15cm程度になり、豆のふくらみがわずかに見え始めたころが適期です。収穫の見極めポイントは莢の中の豆のふくらみ具合で、まだ豆が目立たない若どりの状態が理想的です。

採り遅れるとサヤが硬くなって食味が低下し、豆が大きく膨らみます。また、採り遅れた莢を放置すると株に負担がかかり全体の収穫量も減少するため、収穫期に入ったら定期的にチェックしましょう。

収穫はハサミを使うか指で折り取りますが、最も重要なのはつるや枝を傷つけないことです。つるが傷つくと病原菌の侵入口になったり生育に悪影響を与えたりするため、丁寧に作業します。具体的には莢の付け根(ガク)の少し上で切り、切り口は短く清潔に保ちます。ハサミを使う場合は使用前に消毒するとより安全です。

収穫頻度は気温の高い時期なら2〜3日に1回、涼しい時期でも週に2回程度が適切です。小まめに収穫することで次の花付きがよくなり、総収穫量が増加します。

つるありインゲンは1本の株から約1ヶ月以上収穫を続けられます。これはつるなし種の約2週間と比べると非常に長い期間です。長期収穫のためには草勢維持が重要で、適切な追肥や水やり、病害虫管理を継続しましょう。

収穫したインゲンは鮮度が命です。なるべく早く調理するか、湿らせたペーパータオルで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。長期保存には茹でてから冷凍する方法も有効です。

初収穫時には全ての莢が一度に収穫適期になるわけではなく、徐々に収穫できるようになるのもつるありインゲンの魅力です。日々の食卓に新鮮なインゲンを少量ずつ取り入れられます。

収穫期の終わりには莢の品質が低下し、豆が大きくなりすぎた歪な実が増えてきます。このときは再度追肥を行い、枝葉を一部間引いて日当たりと風通しを改善すると収穫期間を延長できることもあります。

収穫のコツと保存法

  • タイミング: 開花後10〜15日、莢長12〜15cm、豆の膨らみ始め
  • 頻度管理: 高温期は2〜3日ごと、定期的な収穫が総量増加のカギ
  • 収穫手法: 株を傷つけず、ガクの上で切断
  • 鮮度保持: 湿らせたペーパータオルで包み冷蔵、または茹でて冷凍
  • 長期収穫: 草勢維持と追肥・摘葉の組み合わせで収穫期間延長

つるなしインゲンとの違いとプランター栽培

つるありインゲンとつるなしインゲンは同じインゲンでも栽培特性が大きく異なります。それぞれの特徴を理解し、環境に合った品種選びとプランター栽培のコツを紹介します。

つるありインゲンは長いつるを伸ばして成長し、草丈は1.5〜2m以上になるのに対し、つるなしインゲンは草丈50〜60cm程度と低く支柱もほとんど不要です。この草丈の違いにより必要なスペースや管理方法が変わります。

栽培期間と収穫期間も異なります。つるなしインゲンは種まきから開花まで30〜40日、収穫開始までは40〜50日と比較的早いですが、収穫期間は約2週間と短いのが特徴です。一方つるありインゲンは種まきから開花まで35〜45日、収穫開始までは65〜70日とやや時間がかかりますが、収穫が始まると約1ヶ月以上の長期間楽しめます。

温度耐性にも違いがあり、つるなしインゲンは暑さに弱く25℃以上で花が落ちやすくなります。対してつるありインゲンは高温に強いため夏場の栽培に適しています。

プランター栽培ではつるなしインゲンが向いていますが、スペースに余裕があればつるありインゲンも十分可能です。つるありインゲンのプランター栽培では、まず深さ30cm以上、幅60cm以上のプランターを選びます。底には軽石や鉢底石を敷いて排水性を確保しましょう。

土は市販の野菜用培養土が便利ですが、自分で配合する場合は赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1の割合で混合します。いずれもpH6.0〜6.5に調整するのが理想的です。

プランターでの株間は15cm程度と地植えよりやや狭くなり、60cmプランターなら3〜4株が適切です。一カ所に3〜4粒の種をまき、発芽後は2本立てに間引きます。

支柱立ては本葉4〜5枚の頃までに行います。プランター用に高さ調整ができる支柱セットが便利です。ベランダや窓際ではつるを斜め上や水平に這わせて日よけにする工夫も可能です。

プランター栽培では土量が限られるため水やりと追肥に注意が必要です。水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと行い、特に開花期以降は水切れしないよう気をつけます。プランターの下に台や鉢足を置いて風通しを確保すると水はけが良くなります。

追肥は花が咲き始めたころに1回目、その後2週間おきに行います。プランターでは液体肥料が使いやすく、希釈した液肥を水やり代わりに与えると生育状態に合わせて調整できます。

つるありインゲンを長く収穫し続けるには定期的な追肥と古い葉の除去が重要です。摘葉は古い葉や病気の葉を中心に行い風通しを良くします。収穫が減少してきたら追肥し、枝葉を間引いて日当たりを改善すると収穫量が増えることもあります。

限られたスペースを有効活用するなら、時期をずらしてつるなしインゲンと組み合わせるのも一案です。つるなしインゲンで早期収穫を楽しみつつ、つるありインゲンで長期収穫を狙う戦略です。

品種比較とプランター栽培ガイド

  • 品種特性: つるなし(小型・短期)vs つるあり(大型・長期)
  • 栽培容器: 深さ30cm以上、幅60cm以上のプランター
  • 植栽密度: 60cmプランターで3〜4株(株間15cm)
  • 栽培管理: 液体肥料活用、水切れ防止、風通し確保
  • 工夫ポイント: 支柱の高さ調整、日よけ活用、品種組み合わせ

総括:つるありインゲン栽培の摘心は必要?時期と方法のポイント解説

この記事をまとめると、

  • つるありインゲンは支柱必須で1ヶ月以上収穫できるのが特徴だ
  • 栽培適温は15〜25℃、収穫期が高温期に重ならないよう種まき時期を調整する
  • 摘心は必須作業ではないが、状況に応じ行うと管理しやすくなる
  • つるが支柱を超え管理困難な場合や、つるボケ防止に摘心は有効だ
  • 分枝が少ない品種は、本葉5〜6枚での早期摘心が収量増に繋がる
  • 一般的な分枝が多い品種は、摘心しなくても収穫量に大差ないことも
  • 半つる性品種の摘心は、草丈が支柱を超えるまで控えるのが基本だ
  • 摘心の基本タイミングは、親づるや子づるが支柱の高さに達したときである
  • 摘心方法は、生長点の先端を手か消毒したハサミでカットする
  • 種まきは遅霜の心配がない春、または秋どりを目指す夏が適期だ
  • 連作を避け、pH6.0〜6.5に調整した水はけの良い土を用意する
  • 本葉4〜5枚の頃に支柱とネットを立て、つるを均等に誘引する
  • 発芽前は水を控え、開花期以降は水切れさせないよう株元に水やりする
  • 追肥は開花期と収穫開始期に、窒素過多にならない肥料を選ぶ
  • 莢長12〜15cmで若どりし、こまめな収穫で次々に実をつけさせる
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