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玉ねぎの苗を育てているけれど、なかなか太く育たないという悩みを抱えていませんか。苗がひょろひょろと細いままで、定植時期が近づいても理想的な太さにならないと不安になりますよね。
玉ねぎの苗が大きくならない原因は何ですかという疑問に対しては、種まきの時期、水やりの方法、肥料の管理など複数の要因が関係しています。また、玉ねぎを肥大させるには適切な育苗環境と栄養管理が欠かせません。
玉ねぎの苗作り方から、玉ねぎの苗の植える時期の選択、玉ねぎの苗が倒れる問題や玉ねぎの苗が枯れる原因への対処法まで、包括的な知識が必要です。さらに、玉ねぎの苗値段を抑えながら質の高い苗を育てることも重要なポイントとなります。
- 玉ねぎの苗が太くならない主な原因と効果的な対策方法
- 適切な土作りから追肥まで、基本的な育苗テクニック
- 葉先カットや水やり管理などの実践的な栽培技術
- セルトレイ育苗や購入苗選びのコストパフォーマンス向上法
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玉ねぎの苗を太くする方法の基本

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- 玉ねぎの苗が大きくならない原因は何ですか?
- 玉ねぎの苗作り方の基本手順
- 玉ねぎの苗の植える時期と適切なタイミング
- 玉ねぎを肥大させるには適切な土作りが重要
- 玉ねぎの苗が枯れる原因と対策
玉ねぎの苗が大きくならない原因は何ですか?
玉ねぎの苗が期待通りに成長しない場合、いくつかの原因が考えられます。最も多い原因は種まき時期の遅れです。玉ねぎの発芽適温は15~25度(20度前後が最良)とされていますが、種まきが遅れると生育期間が短くなり、苗が十分に太る前に冬を迎えてしまいます。
水やりの管理が不適切な場合も、苗の成長を阻害する要因となります。発芽までは乾燥させないことが大切ですが、発芽後も常に土が湿っている状態が続くと、過湿によって根が傷み、生育不良を引き起こします。
肥料の過不足も苗の生育に大きく影響します。育苗用の土に最初から多くの肥料が含まれていると、肥料過多で根が傷むことがあります。逆に、育苗期間中に肥料が切れてしまうと、栄養不足で太く育ちません。
病害虫の発生も無視できない要因です。特に苗が小さいうちは、わずかな被害でも生育に大きな影響が出ることがあります。アブラムシやタネバエ、ヨトウムシ類、ネギアザミウマ、べと病などに注意が必要です。
また、連作障害や土壌の酸度バランスの偏りなど、土壌環境に問題があるケースも考えられます。玉ねぎは酸性土壌を嫌うため、適切な土壌改良が重要になります。
玉ねぎの苗作り方の基本手順
少しずつですが玉ねぎ苗がしっかりしてきました。9月4日に播種した苗床です🧅🌱 pic.twitter.com/qLKf5bP36n
— 仲田一平/仲田青果3代目/淡路島の玉ねぎ屋アトツギ (@nkt1p) September 18, 2025
健康で太い玉ねぎの苗を育てるためには、基本に忠実な苗作りが不可欠です。まず、苗を育てる場所(苗床)の準備から始めます。種まきの1週間前までに、1平方メートルあたり苦土石灰100~150gを施して土壌の酸度を調整しましょう。
地域によって堆肥の扱いが異なる場合があります。完熟堆肥2~3kg/㎡の施用を推奨する地域がある一方で、火山灰土地域などでは元肥に堆肥を与えない指導もあります。地域の栽培指針に従って判断することが重要です。
化成肥料については、目安として1平方メートルあたり50~100g程度を基本とし、土壌診断に基づいて調整することをおすすめします。堆肥を使用する場合は必ず完熟したものを選び、未熟堆肥は有害ガスの発生や病害虫の温床となるため避けましょう。
種まきの手順
条間は8~12cm(地域や作業様式により~15cm)程度の間隔で、深さ1cmほどのまき溝を作ります。この溝に、種が重ならないように1cm間隔で丁寧にまき、5~10mm程度薄く土をかぶせます。種まき後は、乾燥と害虫予防のために不織布をベタがけし、たっぷりと水やりを行います。
発芽するまでは土が乾かないように管理しますが、発芽後は過湿を避けるため、水やりの頻度を調整していきます。育苗期間は地域や温度により50~60日程度となり、根元の直径が5~6mm(鉛筆よりやや細い程度)、草丈が20~25cm程度に育てば、畑への植え付けに適した苗となります。
玉ねぎの苗の植える時期と適切なタイミング

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玉ねぎの苗の植え付け時期は、品種によって大きく異なります。植え付けタイミングを間違えると、苗が太く育たないだけでなく、抽苔(トウ立ち)や収穫量の減少につながる可能性があります。
品種 | 植え付け時期(目安) | 収穫時期 | 貯蔵期間(目安) |
---|---|---|---|
極早生 | 11月上旬~中旬 | 4月下旬~5月上旬 | 長期保存は向かない |
早生 | 11月中旬~下旬 | 5月中旬~ | 夏まで |
中生・中晩生 | 11月下旬~12月上旬 | 5月下旬~6月上旬 | 年内いっぱい |
植え付けが早すぎると、苗が冬前に大きくなりすぎてしまい、低温にさらされた際に抽苔しやすくなります。一方、植え付けが遅すぎると、根の活着が不十分なまま厳しい寒さを迎えることになり、苗が枯れる原因となってしまいます。
地域差が大きいため、具体的な植え付け時期については、地域のJAや農業指導機関の栽培暦に従うことが最も確実です。寒冷地では植え付け時期を早めに、温暖地では遅めに調整する必要があります。
玉ねぎを肥大させるには適切な土作りが重要
\📸写真が届きました📸~上木崎保育所~/
プランターに植えた玉ねぎの苗が少しずつ成長しています🧅
収穫したあとは、給食で活用する予定です😋🍴
みんなで愛情をこめて育てている玉ねぎ🌱
今から成長が楽しみです☺✨#鉄道弘済会 #上木崎保育所 pic.twitter.com/YKqY2yhmqC— 公益財団法人 鉄道弘済会 (@tetsudokosaikai) May 21, 2025
玉ねぎの球根を大きく育てるためには、土作りが最も重要な要素の一つです。適切な土壌環境を整えることで、根の発達を促し、結果として地上部の生育も旺盛になります。
土壌のpH値については、6.0~6.5(地域資料では6.0~7.0の表記も)の弱酸性から中性が理想的です。玉ねぎは酸性土壌を嫌うため、土壌検査キットを使用してpH値を定期的にチェックし、必要に応じて石灰などの調整剤を使って適正な値に調整しましょう。
栄養バランスの重要性
リン酸成分は玉ねぎの根の発達や球の肥大に重要な役割を果たします。元肥として効果がゆっくりと現れる溶成リン肥(熔リン)や過リン酸石灰などを施用することも有効です。ただし、窒素過多は貯蔵性の低下や腐敗の原因となるため、バランスの取れた施肥を心がけることが大切です。
油かすなどの有機質窒素肥料は、タネバエ被害を招く可能性があります。地域の病害虫リスクを考慮して資材を選択することが重要です。
排水性の改善方法
良好な排水性は、玉ねぎ栽培の成功の秘訣です。過湿条件は根腐れを引き起こす原因となり、玉ねぎの成長を大きく妨げます。排水性を高めるためには、適度な高畝を作ることが効果的ですが、地域環境によって最適畝高が異なるため、地域の指導暦を優先することが重要です。
腐葉土やパーライトなどを土に混ぜ込むことで、排水性と通気性を同時に改善できます。また、雨後に水が適切に抜ける程度の畝作りを心がけましょう。
玉ねぎの苗が枯れる原因と対策

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玉ねぎの苗が枯れる現象には複数の原因があり、症状別に対処する必要があります。主な原因として、過湿による根腐れ、霜害、病害虫被害が挙げられます。
過湿による枯死
水はけの悪い土壌では根が酸欠状態になりやすく、根腐れを起こして枯れてしまいます。適度な高畝を作る、排水用の溝を掘るなどの対策で改善できますが、地域の環境条件に応じた適切な対策を選択することが大切です。
霜害による枯死
霜柱が根を押し上げてしまい、根が傷んで枯死することがあります。株元を手で押さえて固める作業を定期的に行い、敷きわらなどで株元を保護することで霜害を防げます。
病害虫による被害では、べと病(低温多湿期に多発)、軟腐病、黒斑病などの病気や、アブラムシ、ヨトウムシ、ネギアザミウマ(春から初夏に重要害虫)などに注意が必要です。防虫ネットの設置や適期の薬剤散布により、被害を最小限に抑えることができます。
玉ねぎの苗を太くする方法の実践テクニック

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- 追肥のタイミングと肥料の選び方
- 玉ねぎの苗が倒れる問題の解決法
- 葉先カットで苗を丈夫に育てる方法
- 水やり管理で根張りを良くするコツ
- セルトレイ育苗のメリットとデメリット
- 玉ねぎの苗値段を抑えながら質を確保する方法
追肥のタイミングと肥料の選び方
玉ねぎの苗を太く丈夫に育てる上で、追肥は非常に重要な管理作業です。育苗期と定植後では追肥の方法が異なるため、それぞれの段階に応じた適切な管理を行いましょう。
育苗期の追肥
種まきから始まる育苗期間中の追肥は、苗の初期生育を支え、しっかりとした株を形成するために行います。最初の追肥は種まきから2週間ほど経過し、本葉が2~3枚程度に展開した頃が目安です。
使用する肥料は、速効性の液体肥料が適しています。製品の指示に従った希釈倍率で、水やり代わりに施します。セルトレイや育苗ポットで育てる場合は、土の量が限られているため、よりこまめな追肥が必要となることがあります。
定植後の追肥管理
畑に定植した後の追肥は、地域によってタイミングが異なります。年内から晩冬に1回、早春に1~2回が基本的な考え方ですが、具体的な時期は地域の栽培暦に合わせることが重要です。
中間地では2月下旬から3月上旬頃、続いて3月下旬頃が目安となりますが、寒冷地では年内または1月に追肥を行う場合もあります。地域のJAや農業指導機関の指針に従いましょう。
追肥の量は、1平方メートルあたり化成肥料を40~50g程度が目安です。おおむね3月までに追肥を終え、4月以降の遅い追肥は貯蔵性の低下や腐敗増加のリスクがあるため避けることが重要です。
玉ねぎの苗が倒れる問題の解決法
早生の玉ねぎ正規品の苗に続いて、赤玉ねぎも倒れて来たので収穫しました。
が、今年、タキイのケル玉っていうのにしたんですが、あんまり、大きく出来なくて、残念。
早生の玉ねぎ、特売品の苗はまだ倒れる気配なしで、晩生のと変わらね様子です。 pic.twitter.com/GdwY9TeJSI— みかん山のみぃ (@PI3z56SvIeuB6JK) April 28, 2023
玉ねぎの苗が倒れる現象は、栽培過程でよく見られる問題です。主な原因として、苗の徒長、風による影響、根張りの不足、霜柱による根の浮き上がりなどが挙げられます。
苗の徒長については、日照不足や過湿条件、窒素過多などによって苗が軟弱に育つことが原因です。適切な日照条件を確保し、水やりの頻度を調整することで改善できます。
風による物理的な影響を防ぐには、風除けのネットや囲いを設置することが効果的です。特に育苗期間中は苗がまだ小さく、強風に対する抵抗力が不足しているため注意が必要です。
霜柱対策として、浮いた株を手で押さえて固める作業を定期的に行うことが重要です。また、敷きわらなどの保護資材を使用することで、霜害を防ぐことができます。
土寄せを行うことで、苗の株元を安定させることができます。追肥のタイミングで土寄せを同時に行うと、効率的に管理できます。植え付け間隔も重要で、適切な株間(12~15cm程度)を確保することで、個々の苗が健全に育ちます。
葉先カットで苗を丈夫に育てる方法

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葉先カット(剪葉)は、玉ねぎの苗の徒長対策として現場で行われることがありますが、この手法には十分な注意が必要です。公的研究機関の検証では、剪葉が根の生長に悪影響を与え、回復遅延や越冬率低下の事例が報告されています。
葉先カットを行う場合は、徒長が著しい場合の緊急対策として位置づけ、最小限にとどめることが重要です。まず一部の苗で試験的に行い、効果と影響を確認してから判断しましょう。
特にセル育苗では、葉先カットによる生育への悪影響が出やすい傾向があります。健全に育っている苗には実施する必要はなく、適切な栽培環境の改善を優先すべきです。
どうしても実施する場合のタイミングは、苗の草丈が15cm~20cm程度に伸び、徒長が著しい場合に限定します。清潔なハサミを使って、葉の先端から3分の1程度の長さを水平にカットし、作業後は液体肥料を与えて回復を促進します。
水やり管理で根張りを良くするコツ
玉ねぎが膨れてきました😀
捨てとこかと思いましたが最近の乾燥もあり水やりだけしました。
また雑草が生えてきてるので
もう一度草抜きをします。玉ねぎの苗をネギと間違えてまとめ植えしたのは玉ねぎでした😥
ツレが試しに食べたらうまかったらしいです。しんちゃんネギ
と命名してくれました😥 pic.twitter.com/hsN4Q5fmw3
— SNJ-YNGHR (@SnjYnghr) March 23, 2020
適切な水やり管理は、玉ねぎの根張りを良くし、苗を太く育てるための基本的な技術です。発芽から成長段階に応じて、水やりの方法を調整することが重要になります。
発芽直後は乾燥させないよう注意深く水やりを行い、以後は過湿を避けるため、表土の乾燥を確認してから水を与えるように切り替えることが大切です。具体的には、土の表面が乾いてから水やりを行う管理に移行します。
適切な水やりの判断方法
土の乾き具合の見分け方として、指を土に2~3cm挿入し、指先で湿り気を感じるかを確かめる方法が有効です。表面が乾いていても、少し深めに指を差し込むことで、内部の湿り気をチェックできます。
根張りを良くするためには、表面の水やりよりも深部まで水が浸透するよう、一度にたっぷりと水を与えることが効果的です。少量ずつ頻繁に与えると、根が浅く広がってしまいます。
冬季は生育が緩やかになるため、水やりの頻度を減らし、土がしっかりと乾いてから与えるようにします。ただし、過度なストレス(乾燥・肥料切れ等)は抽苔を招きやすいため、極端な乾燥は避けるよう注意が必要です。
セルトレイ育苗のメリットとデメリット

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セルトレイを使用した育苗方法は、多くの栽培者に採用されていますが、適切な管理が必要な手法でもあります。メリットとデメリットを理解して活用しましょう。
セルトレイ育苗のメリット
最大のメリットは、省スペースで多数の苗を均一に育てやすい点です。各セルが独立しているため、根が絡み合うことなく、植え替え時の根の傷みが少なく、定植後の活着がスムーズに進みやすい傾向にあります。
また、土の量が限られているため、肥料管理や水分管理が比較的行いやすく、病害の発生リスクを抑える効果も期待できます。持ち運びが容易で、天候に応じて場所を移動させることも可能です。
セルトレイ育苗のデメリットと注意点
デメリットとしては、各セルの土の量が少ないため、過湿や過乾に振れやすく、細やかな水管理が必要となる点が挙げられます。特に乾燥しやすい時期や、生育が旺盛になる時期には、こまめな水やりと適切な追肥が不可欠です。
セルの穴数と育苗日数には密接な関係があります。128穴や200穴のトレイでは、根詰まりを避けるため適切なタイミングでの定植が必要です。長期間育てすぎると、根がセル内で詰まって生育不良を起こします。
覆土は表面を均一にし、発芽が揃うまでは直射日光が当たらない涼しい場所に置くことが大切です。普通の種まき培土を使う場合は、発芽から2週間程度から液体肥料を週1回程度施用する必要があります。
玉ねぎの値段を抑えながら質を確保する方法

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玉ねぎの苗を購入する場合、コストパフォーマンスと品質のバランスを取ることが重要です。購入時期、購入場所、購入方法を工夫することで、費用を抑えながら良質な苗を入手できます。
苗の購入費用を抑える最も効果的な方法は、地元の農家や直売所から購入することです。ホームセンターや園芸店と比較して、より安価で新鮮な苗を入手できる場合が多くあります。
質の高い苗の見分け方
健康な苗は葉の色が濃く力強く、根元が肥大しておらず、直径は5~7mm程度を目安とします。草丈は20~25cm程度で、根がしっかり生えそろっているものを選びましょう。地域や品種で基準に差があるため、地域のJA指導値に合わせることが重要です。
苗の太さについては、地域資料で6~8mmを適苗とする例もあるため、購入前に地域の基準を確認することをおすすめします。小さすぎる苗は生育不良の原因になるため避けましょう。
近所の栽培者同士でグループ購入を行うことで、大口割引を受けられる場合があります。また、種から育てる場合は、苗購入と比較して大幅にコストを削減できますが、時間と手間がかかることを考慮して判断しましょう。
総括:玉ねぎの苗を太くする育て方|原因から実践テクニックまで解説
- 玉ねぎの発芽適温は15~25度(20度前後が最良)で種まき時期の調整が重要
- 適切な苗サイズは根元直径5~7mm程度、草丈20~25cmが定植適期の目安
- 土壌のpH値は6.0~6.5(地域により6.0~7.0)に調整し酸性土壌を避ける
- 育苗期間は地域や温度により50~60日程度で管理する
- 品種別の定植時期を厳守し地域の栽培暦に従うことが抽苔防止に重要
- 堆肥使用の可否は地域の病害虫リスクを考慮して判断する
- 排水性改善には適切な畝作りが効果的だが地域環境に応じた高さに調整
- 育苗期の追肥は種まき2週間後から液体肥料を製品指示に従い施用
- 定植後の追肥は地域暦に合わせ年内から早春に実施しおおむね3月までに終了
- 発芽直後は乾燥を避け以後は過湿回避で表土乾燥を確認して水やり
- 過度なストレス(乾燥・肥料切れ等)は抽苔を招きやすいため注意が必要
- 葉先カットは生育遅延のリスクがあるため徒長時の緊急対策に限定
- セルトレイ育苗では穴数に応じた育苗日数を守り根詰まりを防ぐ
- 霜柱対策として浮いた株の押さえと敷きわらによる保護が効果的
- 病害虫対策では防虫ネット設置と適期防除で被害を最小限に抑える