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里芋の栽培を始めたものの、いつ収穫すればよいのか迷っていませんか。収穫時期より遅れるとどうなるのか、不安に感じている方も多いでしょう。
里芋の収穫時期の目安は一般的に10月から11月頃とされていますが、収穫時期が遅れることで品質の低下や日持ちの悪化といった問題が生じる可能性があります。また、里芋の肥大期はいつなのか、里芋を植えっぱなしにしておくとどうなるのか、里芋栽培で連作障害は出るのかといった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
里芋の収穫時期はいつ頃が最適なのかを正確に把握することで、美味しい里芋を安全に収穫できます。収穫時期が遅れることによる具体的な影響や、適切な見極め方法を知ることが重要になります。
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- 里芋の収穫時期が遅れることで生じる具体的な問題と対策
- 地域別の収穫時期の違いと肥大期のタイミング
- 収穫遅れを防ぐための見極めポイントと保存方法
- 植えっぱなしにした場合の影響と連作障害への対処法
里芋の栽培で収穫時期より遅れるとどうなるか

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- 里芋の収穫時期の目安
- 収穫時期が遅れることで起こる問題
- 里芋の肥大期はいつですか?
- 霜が降りる前に収穫すべき理由
- 地域別の収穫時期の違い
里芋の収穫時期の目安
里芋の収穫時期は、一般的に10月から11月頃が適期とされています。種芋を植え付けてから約150~180日後に収穫可能となるため、4月に植え付けた場合は9月下旬頃から収穫できるでしょう。
ただし、収穫の最適なタイミングは外観で判断することが重要になります。葉が黄色く変色し始め、茎が垂れ下がってきた状態が収穫の合図です。これらの変化は、里芋の成長が止まったサインを示しており、地中の芋が充実が進んだ状態に達していることを意味します。
植え付けからの日数だけでなく、このような外観の変化を確認することで、より正確な収穫時期を見極められるでしょう。試し掘りを併用することで、さらに確実な判断が可能になります。
収穫時期が遅れることで起こる問題
収穫時期を過ぎてしまったので心配してました里芋を無事に収穫した。小芋孫芋も数が多い。親芋は手のひらが隠れるほど成長。1株およそ3.2キロ。それから島らっきょうは苦節7年半を経て、はじめて全体的に画像サイズに育ったことを確認。付け根の部分は極細だけどこれまでのことを考えたら上出来。 pic.twitter.com/g0ySHW680B
— 中村之菊 (@nogitama) November 15, 2024
収穫時期が遅れると、里芋の品質に深刻な影響を与える可能性があります。最も大きな問題は、掘り遅れによる割れや規格外品の増加です。また、水晶症状と呼ばれる透明化やデンプン蓄積の低下により、食味が劣化するおそれがあります。
また、日持ちが悪くなることも重要な問題となります。収穫が遅れた里芋は、保存中に故障芋が増加し、カビが生えやすくなるケースも見られます。これは、里芋内部の組織が劣化しているためです。
さらに、適期を過ぎると新たな成長は期待できず、可食部分の品質低下が進行します。適切なタイミングで収穫していれば得られたはずの良質な里芋を失うことになり、栽培の努力が無駄になってしまうでしょう。
里芋の肥大期はいつですか?

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里芋の肥大期は、7月中旬から9月にかけての時期になります。この期間中、里芋は急速に大きくなり、最終的な収穫量が決まる重要な時期といえるでしょう。
肥大期には十分な水分管理が欠かせません。土壌が乾燥しすぎると、子芋の数が減少し、サイズも小さくなってしまいます。一方で、水はけが悪すぎると根腐れの原因となるため、適度な湿度を保つことが大切です。
この時期の管理が適切に行われることで、10月頃の収穫時期に向けて充実した里芋を育てることができます。肥大期の後半である9月には、徐々に成長が緩やかになり、収穫に向けた準備期間に入ります。
霜が降りる前に収穫すべき理由
今日の作業は、
里芋の植え付け・:*+.(( °ω° ))/.:+今植え付けて、
11月頃(霜が降りる前)に収穫です✨玉ねぎもスクスク成長中🧅🧅🧅
6月中旬頃(梅雨入り前)に収穫です💖#里芋 #玉ねぎ #植え付け #農作業 #農業女子 #ミクチャ #ライブ配信 pic.twitter.com/dqygXJaZRZ
— はなよ🌻💖 (@daizu_azuki511) May 2, 2025
里芋は寒さに非常に弱い作物であるため、霜が降りる前の収穫が重要な課題となります。霜にあたった里芋は、1~2回程度でも葉が容易に枯れてしまい、地中の芋にも悪影響を与えます。
霜害を受けた里芋は、組織が破壊されて腐敗しやすくなります。また、低温による障害で、里芋特有の食感や風味が失われてしまうのです。霜が降りる時期を過ぎると、貯蔵中の故障芋が増加する傾向があります。
そのため、天気予報で初霜の予報が出た場合は、すぐに収穫作業を開始することをおすすめします。多少早めの収穫であっても、霜害のリスクを避けることで、品質の良い里芋を確実に収穫できるでしょう。
地域別の収穫時期の違い

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里芋の収穫時期は、栽培地域の気候条件によって大きく異なります。温暖な地域ほど収穫期間が長く、寒冷地では短期間での収穫が必要になります。
地域 | 収穫時期 | 収穫期間 |
---|---|---|
沖縄・九州・四国(暖地) | 9月下旬~11月下旬 | 約3か月間 |
東海・関東(中間地) | 10月中旬~11月下旬 | 約1.5か月間 |
北海道(寒冷地) | 10月中旬~11月初旬 | 約1か月間 |
東北(寒冷地) | 11月初旬~12月初旬 | 約1か月間 |
北海道では特に収穫可能期間が短く、年によっては10月で収穫を完了する場合も多いため、天候を見極めながら計画的に収穫作業を進める必要があります。東北地方でも同様に、初霜の時期を考慮した収穫計画が重要となるでしょう。一方、暖地では比較的余裕を持って収穫できますが、それでも適期を逃さないよう注意が必要です。
里芋栽培の収穫時期より遅れる場合の対処法

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- 里芋を植えっぱなしにしておくとどうなる?
- 里芋栽培で連作障害は出ますか?
- 収穫遅れを防ぐ見極めポイント
- 収穫後の適切な保存方法
- 来年の種芋として活用する方法
- 収穫タイミングを逃した時の応急処置
里芋を植えっぱなしにしておくとどうなる?
里芋を植えっぱなしにした場合の結果は、栽培地域の気候条件によって大きく左右されます。関東南部以西の平地では、適切な厚い覆土とマルチングにより越冬できる可能性があります。
温暖な地域では、土を20~30センチ程度厚めにかけ、さらに稲わらや刈り草で覆うことで、冬の寒さから里芋を守れます。このような保温対策を行えば、翌春まで良好な状態を保つことができるでしょう。
ただし、北陸内陸や中部山間など寒冷地では土が凍結するため、植えっぱなしは推奨できません。このような寒い地域では、雪の下になることで凍害を受け、春には腐敗して残らない場合がほとんどです。また、連作を続けることで収穫量が減少し、品質も低下するリスクがあることを理解しておく必要があります。
里芋栽培で連作障害は出ますか?
今日は里芋を植えました。
きょねんもこの午後日陰になるところで、育てた。ほったらかしでりっぱな芋ができたので期待している😳
連作2年目やけど障害がくるかな?
でっけえ親芋を植えました。#あすか農業 pic.twitter.com/ELOEKi86Tk— あすか (@asukadaodao) April 14, 2025
里芋は連作障害を受けやすい作物とされており、同じ場所での栽培は3~4年の間隔を空けることが推奨されています。連作により土壌環境が悪化し、病害虫の発生リスクが高まるためです。
特に、疫病、乾腐病、軟腐病などの土壌病害が発生しやすくなります。これらの病害は土壌中の病原菌が原因で、里芋の根や茎に感染して深刻な被害をもたらします。連作により病原菌が蓄積されることで、発症リスクが格段に高まります。
一方で、適切な土壌管理を行えば連作の影響を軽減できる場合もあります。有機質肥料の投入や土壌改良により微生物バランスを整えることで、連作障害を予防できる可能性があるでしょう。ただし、安全性を考慮すれば輪作を行うことが最も確実な対策といえます。
収穫遅れを防ぐ見極めポイント

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収穫遅れを防ぐためには、複数の判断基準を組み合わせて見極めることが重要です。最も確実な方法は、葉の状態変化を観察することになります。
外観による判断基準
葉が黄色く変色し始め、茎が垂れ下がってきた時が収穫の第一の合図となります。これらの変化は、里芋の成長が停止したことを示しています。老化による自然な変化と病害による変化を区別するため、全体的な株の状態を観察することが大切です。
さらに確実な判断のため、試し掘りを行い、里芋の充実度を確認することをおすすめします。外観の変化と試し掘りを併用することで、より正確な収穫適期を判断できるでしょう。
天候条件の考慮
収穫作業は、晴天が数日続いた後に行うことが理想的です。これは作業性を向上させ、土の泥はけを良くし、収穫後の乾燥を促進するためです。雨上がりすぐの収穫は、土が泥だらけになるだけでなく、里芋自体も水分を多く含んで傷みやすくなります。
収穫後の適切な保存方法
里芋を常温で保存する方法
段ボールと新聞紙で冷暗所を作る(段ボールがない場合は、発泡スチロールや紙袋で代用できます)段ボールに新聞紙を敷き、その上に泥つきの里芋を並べその上から、新聞紙(または、籾殻でもオッケー!)をかぶせる風通しをよくしたいため、段ボールのフタは閉めない pic.twitter.com/FI8xgzjdxB— ごはん (@gl_ahiru) September 7, 2022
収穫後の里芋は、保存方法によって日持ち期間が大きく変わります。すぐに食べる場合と、長期保存する場合では異なる処理が必要になるでしょう。
短期保存の方法
収穫後すぐに食べる里芋は、基本的に土付きのまま、目安は10~15℃程度の冷暗所で保存することが推奨されます。高温では発芽しやすく、低温では障害を受けやすいため、温度管理に注意が必要です。どうしても冷蔵庫の野菜室を使用する場合は、十分に乾燥させてから新聞紙でしっかりと包み、1~2週間以内に消費することが大切です。
里芋は低温に弱いため、一般的な冷蔵室での保存は低温障害やカビのリスクが高まります。やむを得ず野菜室を使用する際は、温度変化に注意を払い、早めの消費を心がけましょう。
長期保存の方法
長期保存を行う場合は、土を落とさずに保存することが基本となります。段ボールに新聞紙を敷き、土のまま里芋を並べて、風通しの良い冷暗所で保管しましょう。保存に適した温度は10℃前後とされており、低すぎると低温障害のリスクが高まります。
寒冷地では、泥のまま新聞紙にくるんで発泡スチロールに入れ、低温障害を防ぐ工夫が必要です。適切な方法で保存すれば、数か月間品質を維持できるでしょう。
来年の種芋として活用する方法

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収穫した里芋を来年の種芋として活用するには、特別な保存方法が必要になります。最も重要なポイントは、親芋と子芋を切り離さないことです。
種芋用の里芋は、株のまま掘り起こし、ばらけさせないで保存します。切り離してしまうと、切り口から傷んでカビが発生しやすくなるためです。畑の比較的乾燥した場所に、里芋がすっぽり入る深い穴を掘り、茎を下向きにして逆さまに埋めることで越冬させられます。
穴の中には藁やもみ殻を敷き詰め、里芋全体を包んでから土をかぶせます。さらに上から雨避けのマルチやビニールをかけることで、翌年の春まで良好な状態で保存できるでしょう。
収穫タイミングを逃した時の応急処置
収穫タイミングを逃してしまった場合でも、適切な応急処置を行うことで被害を最小限に抑えることができます。まず、霜が降りる前に緊急収穫を実施することが最優先となります。
多少品質が劣化していても、収穫できる里芋は回収しましょう。その際、明らかに傷んでいる部分は取り除き、健全な部分のみを選別します。収穫後は通常よりも短期間で消費するか、加工して冷凍保存することをおすすめします。
また、来年に向けて土壌改良を行い、栽培記録を見直すことも重要です。収穫時期を逃した原因を分析し、次回の栽培に活かすことで、同様の失敗を防ぐことができるでしょう。天候記録や成長観察の記録を残すことで、より正確な収穫時期の予測が可能になります。
総括:里芋栽培で収穫時期より遅れるとどうなる?適切なタイミングの見極め方
- 里芋の収穫適期は10月から11月頃で、植え付けから150~180日後が目安
- 葉が黄色く変色し茎が垂れ下がった時が収穫の合図
- 収穫時期が遅れると割れや故障芋の増加、食味低下のおそれがある
- 里芋の肥大期は7月中旬から9月にかけての重要な時期
- 霜が降りる前の収穫が重要で貯蔵性の低下を防ぐ
- 北海道は10月中旬以降、東北は11月初旬から収穫開始が目安
- 植えっぱなしは関東南部以西で厚い覆土により越冬可能
- 寒冷地での植えっぱなしは凍害リスクが高く推奨できない
- 里芋は連作障害を受けやすく3~4年の輪作が推奨
- 疫病、乾腐病、軟腐病などの土壌病害が連作で増加
- 収穫遅れ防止には葉の状態変化と試し掘りの併用が重要
- 短期保存は土付きのまま冷暗所が基本、野菜室使用時は注意が必要
- 長期保存は10℃前後の温度管理で数か月間保存可能
- 種芋保存は株のまま切り離さず畑に埋めて越冬
- 収穫タイミングを逃した場合は緊急収穫と選別が必要