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パクチーを冬に育てたいと考えている方の中には、パクチーは寒さに強いですか?という疑問や、パクチーは冬でも育ちますか?といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
実は、多くの方が思っているほど、パクチーの冬栽培は難しくありません。むしろ、適切なパクチーの冬越しの方法を知っていれば、寒い季節でも美味しいパクチーを収穫し続けることが可能です。
種から育てる場合も、プランターを使用する場合も、植える時期を正しく選べば冬でも十分に成長してくれます。また、栽培中に花が咲いてしまった場合の対処法も重要なポイントになります。
この記事では、パクチーの冬栽培について詳しく解説し、初心者の方でも安心して取り組めるよう、具体的な方法をお伝えします。
- パクチーの寒さに対する特性と冬栽培の可能性
- 冬に適した植え付け時期と種まきのコツ
- プランター栽培での冬越し管理方法
- 冬季の収穫タイミングと年間収穫回数
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パクチーの冬の育て方と基本知識

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- パクチーは寒さに強いですか?
- パクチーは冬でも育ちますか?
- 冬のパクチー栽培に適した植える時期
- 種から始める冬栽培のポイント
- プランター栽培を冬に行うコツ
パクチーは寒さに強いですか?
パクチーの寒さに対する耐性について、多くの方が誤解していることがあります。実際のところ、パクチーは思っている以上に寒さに強い植物です。
パクチーの耐寒性を具体的に説明すると、短時間の軽い霜程度であれば耐えることができます。オレゴン州立大学やミシガン州立大学などの拡張機関では「light frost(軽い霜)には耐える」「凍結近辺まで耐えるがhard freezeは不可」と説明されており、持続的な強い凍結には弱いものの、一般的な冬の軽い霜には耐える能力があります。
パクチーの耐寒性は条件によって変わります。短時間の軽い霜には耐えますが、強霜や持続的な凍結では被害を受けやすくなります。安全のため、不織布やトンネル栽培との併用をおすすめします。不織布の厚さによって1~3℃程度の保護効果が期待できます。
関東地方程度の温暖な地域であれば屋外での栽培も可能ですが、寒波が予想される際は防寒対策を行うか、プランターの場合は室内に取り込むことで安全に管理できます。
一方で、パクチーは暑さには非常に弱い特性があります。夏の高温期には生育が悪くなり、すぐに花芽が上がってしまうため、むしろ冬の方が栽培に適している季節と言えるでしょう。
パクチーは冬でも育ちますか?
パクチーの芽がけっこう出てきた
昨年のも冬越したしパクチーマスターと家族に言われた(パクチーマスターって?) pic.twitter.com/rq2riyfR1D
— さす (@SoutaSus) May 18, 2025
結論から申し上げると、パクチーは冬でも十分に育てることができます。パクチーは冷涼期作物として知られ、温暖な地域では秋播きが推奨されています。実際に、ユタ州立大学などでは「涼しい地域は春、温暖地は秋が良い」と明記されています。
冬栽培でのパクチーの成長パターンは、春夏とは大きく異なります。寒い時期には成長がゆっくりになりますが、その分じっくりと栄養を蓄える傾向があります。なお、冬のパクチーは葉が柔らかくなり味が濃厚になるという経験則がありますが、これは栽培者による主観的な評価であり、定量的なデータに基づくものではないことを理解しておくことが大切です。
実際の栽培事例を見ると、千葉県などの温暖な地域では、地植えで防寒対策を行いながら冬の間継続して成長を続けます。雪が2~3回降る程度の地域でも、適切な管理を行えば問題なく栽培可能です。
冬のパクチー栽培では、成長速度は夏の半分程度になりますが、その分害虫の被害を受けにくい傾向があります。ただし、地域や害虫の種類によって差があるため、過度に一般化しすぎないよう注意が必要です。
ただし、冬栽培を成功させるためには、適切な品種選択と栽培方法の工夫が重要になります。特に、種まき時期や水やりの頻度を調整することで、より良い結果を得ることができます。
冬のパクチー栽培に適した植える時期

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冬にパクチーを楽しむための最適な植える時期は9月中旬から11月初旬です。この時期に種をまくことで、冬から翌春にかけて長期間収穫を楽しむことができます。
具体的な植え付けスケジュールを説明すると、9月中旬に種をまいた場合、10月初旬に発芽し、11月には本格的な収穫が始まります。このタイミングで植え付けることで、寒さが厳しくなる前に株がしっかりと成長し、冬の寒さに耐える力を蓄えることができます。
種まき時期 | 発芽時期 | 収穫開始 | 収穫終了 |
---|---|---|---|
9月中旬 | 10月初旬 | 11月中旬 | 翌年4月頃※ |
10月初旬 | 10月下旬 | 12月初旬 | 翌年5月頃※ |
11月初旬 | 11月下旬 | 翌年1月 | 翌年5月頃※ |
※収穫終了時期は地域や目的によって差があります。多くの地域では春から初夏(5月前後)に抽苔(とうだち:花茎が伸びること)により収穫が終息します。
植える時期を選ぶ際の注意点として、あまり遅い時期(12月以降)に種をまくと、発芽に必要な温度が不足し、うまく芽が出ない可能性があります。また、早すぎる時期(8月)に植えると、まだ暑さが残っているため、すぐに花芽が上がってしまうリスクがあります。
寒冷地では、11月以降の種まきは室内での育苗を検討しましょう。発芽には土壌温度13℃から20℃程度(55~68°F)が理想的で、低温では発芽が遅延しやすくなります。
種から始める冬栽培のポイント
これから寒気なる季節の冬野菜は栽培しやすいかも!何も工夫せずにパクチー栽培にパクッチーくんと挑戦!→種、プランターは100均のダイソー・土はドラッグストアーのゲンキー。土をプランターに入れて溝つけて種まきして種に土を被せただけなんですよね。最後にたっぷりの水をかけて完成どうなる追跡 pic.twitter.com/z2vQywEItR
— まるはな農園 (@maruhana888) October 15, 2024
種から冬栽培を始める場合、発芽させるための準備作業が成功の鍵を握ります。パクチーの種は硬い殻に覆われているため、そのまままくと発芽率が低くなってしまいます。
種の前処理方法について詳しく説明すると、まず種を手のひらに乗せて軽く擦り合わせ、殻にヒビを入れます。完全に割る必要はなく、表面に細かいひび割れができる程度で十分です。前処理が完了したら、一晩水に浸けておくことで発芽初期を助けることができます。
種の殻割りと浸水処理は発芽促進の工夫として広く紹介されていますが、必須というわけではありません。これらの処理は発芽を整える効果はあるものの、処理なしでも十分に栽培可能です。
冬の種まき手順
冬の種まきでは、温度管理が特に重要になります。土壌温度が13℃から20℃程度の範囲で安定していると発芽・生育が良好になるため、外気温が低い場合は室内での育苗を検討しましょう。種まき用のポットに培養土を入れ、1cm程度の深さに種をまきます。
水やりについては、発芽するまでは土の表面を乾かさないよう注意が必要です。霧吹きを使って優しく水を与え、土が常に湿った状態を保ちましょう。発芽まで10日から20日程度かかりますが、低温期では期間が長くなる傾向があります。
冬の種まきでは、ビニールハウスや室内の暖かい場所を活用することで、発芽率を大幅に向上させることができます。
発芽後の管理では、十分な日光を確保することが重要です。冬場は日照時間が短いため、できるだけ日当たりの良い場所に置き、徒長を防ぎましょう。本葉が3~4枚になったら、間引きを行い、健康な苗を選別します。
プランター栽培を冬に行うコツ

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プランターを使った冬栽培では、移動できるメリットを最大限に活用することが成功の秘訣です。天候や気温の変化に応じて、最適な場所に移動させることで、より良い栽培環境を提供できます。
プランターのサイズ選択について説明すると、60cm幅のプランターであれば3~4株、直径15cm程度の鉢であれば1株が目安です。株間については、栽培目的によって調整が必要です。葉を密に収穫したい場合は約5cm間隔、一般的な栽培では15~20cm間隔、種取りを目的とする場合は20~30cm間隔が推奨されます。深さは最低でも20cm以上あるものを選び、パクチーの根がしっかりと伸びるスペースを確保しましょう。
土の準備では、市販の野菜用培養土を使用するのが最も簡単で確実です。古い土を再利用する場合は、堆肥や腐葉土を混ぜ込んで土壌改良を行い、排水性と保水性のバランスを整えます。
冬場の置き場所の工夫
冬のプランター栽培では、置き場所の選択が特に重要になります。日中は日当たりの良いベランダや庭に置き、夜間の冷え込みが厳しい日は軒下や室内に取り込むことで、温度変化による株へのダメージを最小限に抑えることができます。
風の影響も考慮する必要があります。冬の乾燥した風は、パクチーの葉を傷める原因となるため、風除けを設置したり、建物の陰になる場所を選んだりする工夫が必要です。
プランターの底に発泡スチロールの板を敷くことで、地面からの冷えを防ぎ、根の温度を安定させることができます。
水やりの頻度は、夏場と比べて大幅に減らします。土の表面が乾いてから水を与える程度で十分で、過度な水やりは根腐れの原因となるので注意しましょう。また、水やりは午前中の暖かい時間帯に行い、夜間の凍結を防ぐことが大切です。
パクチーの冬越し育て方と管理方法

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- パクチーの冬越しの方法は?
- 冬栽培での苗の時期と選び方
- 冬にパクチーが枯れる原因と対策
- 栽培での花の扱いと冬の開花対策
- パクチーは年に何回収穫できますか?
- 冬のパクチー収穫のタイミングと方法
パクチーの冬越しの方法は?
パクチーを上手に冬越しさせるためには、適切な防寒対策と水分管理が最も重要なポイントになります。地域の気候条件に応じて、複数の方法を組み合わせることで、確実に冬を乗り切ることができます。
基本的な冬越し方法として、まず株元のマルチングが効果的です。枯れ草や藁、腐葉土などを株の周りに敷き詰めることで、根の部分を寒さから守り、土壌温度の急激な変化を防ぐことができます。
プランター栽培の場合は、容器ごと移動させることで環境を調整します。日中は日当たりの良い場所に置き、夜間や寒波の際は軒下や室内に取り込むことで、温度差によるストレスを軽減できます。
地植えでの冬越し対策
地植えで冬越しを行う場合、トンネル栽培が最も効果的な方法です。支柱を弓状に曲げて設置し、その上に透明なビニールシートや不織布をかけることで、簡易的な温室効果を得ることができます。
トンネルの設置では、裾の部分を完全に密閉せず、空気の流れを確保することが重要です。密閉しすぎると湿度が高くなり、病気の原因となる可能性があります。また、日中は温度が上がりすぎないよう、適度な通気を行うことも大切です。
寒冷紗や不織布は、ビニールシートよりも通気性が良く、急激な温度変化を防げるため、冬越しには特におすすめです。不織布の厚さによって最大3~4℃程度の保護効果が期待できます。
水やりの管理では、冬場は土が乾きにくいため、頻度を大幅に減らします。土の表面から5cm程度掘ってみて、中が乾いている場合にのみ水を与えるようにしましょう。また、水やりは午前中の暖かい時間帯に行い、夕方や夜間は避けることが大切です。
冬栽培での苗の時期と選び方
去年の10月だか11月に苗で買ったパクチーを毎週食べてるのだけど無限に育ってくれて嬉しい。もう冬を越えたようなもんだしこのまま夏くらいまで頑張っていただきたい。 pic.twitter.com/OT4Itc0jWU
— 小木曽 / 小田原暮らし (@ogisokazuma) March 2, 2024
冬栽培で苗から始める場合、適切な苗の選び方と植え付け時期の判断が成功に直結します。健康な苗を選ぶことで、その後の管理が格段に楽になります。
良い苗の見分け方について詳しく説明すると、まず葉の色が濃い緑色で、全体的にしっかりとした印象のものを選びましょう。茎が太く、根元がぐらつかないもの、また葉に黄変や病気の兆候が見られないものが理想的です。
苗の購入時期は、9月下旬から10月中旬頃が最適です。この時期に植え付けることで、本格的な寒さが到来する前に根がしっかりと張り、冬の寒さに耐える力を身に付けることができます。
苗の特徴 | 良い苗 | 避けるべき苗 |
---|---|---|
葉の色 | 濃い緑色 | 黄緑色、黄変している |
茎の太さ | 太くしっかりしている | 細く弱々しい |
根の状態 | 白い根が見える | 根が茶色く変色 |
全体の印象 | コンパクトで密 | ひょろひょろと伸びている |
苗の植え付けポイント
苗を植え付ける際は、根を傷つけないよう丁寧に扱うことが重要です。パクチーは直根性で移植を嫌う植物のため、ポットから取り出す時は土ごと優しく抜き取り、根鉢を崩さないよう特に注意しましょう。植え付け後は、しっかりと水を与えて根と土を密着させます。
植え付け間隔については、栽培目的に応じて調整します。葉の密な収穫を目的とする場合は約5cm間隔、一般的な栽培では15cm程度を確保できるよう調整します。あまり密植しすぎると風通しが悪くなり、病気の原因となる可能性があります。
苗の植え付け後1週間程度は、直射日光を避けた半日陰で管理し、徐々に日当たりの良い場所に移動させることで、根付きを良くすることができます。
冬にパクチーが枯れる原因と対策

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冬のパクチー栽培で枯れる原因として、過度な水やりによる根腐れと極度の乾燥が最も多く見られます。これらの原因を理解し、適切な対策を講じることで、枯れるリスクを大幅に減らすことができます。
根腐れが起こる原因は、冬場の低温により土の乾燥速度が遅くなるにも関わらず、夏場と同じペースで水やりを続けてしまうことです。根腐れを起こした株は、葉が黄色くなり、やがて茶色く変色して枯れてしまいます。
一方で、室内栽培や暖房の効いた場所では、空気が乾燥しすぎて株が弱ることもあります。特に、エアコンの風が直接当たる場所では、葉が乾燥して萎れやすくなります。
具体的な対策方法
根腐れを防ぐためには、水やりの頻度を夏場の半分以下に減らし、土の表面だけでなく、内部の湿り具合も確認してから水を与えるようにしましょう。指を土に差し込んで、3cm程度の深さまで乾いている場合にのみ水やりを行います。
乾燥対策では、湿度を適度に保つことが重要です。室内栽培の場合は、加湿器を使用したり、水を入れた受け皿を近くに置いたりすることで、局所的な湿度を上げることができます。
霜が直接葉に当たると、細胞が凍結して枯れる原因となります。霜予報が出ている夜は、必ず防寒対策を行いましょう。
病気による枯れを防ぐためには、風通しを良くし、枯れた葉や傷んだ部分を定期的に取り除くことが大切です。また、水やりの際は葉に水がかからないよう、株元にゆっくりと水を注ぐことで、病気の発生リスクを下げることができます。
栽培での花の扱いと冬の開花対策
パクチーの鉢を冬の間放置してたら越冬して花を咲かせとる pic.twitter.com/A0YhvQ5Dzg
— jun hemp (@jun_hemp) April 14, 2025
パクチーの花芽管理は、長期間葉を収穫し続けるための重要なポイントです。花が咲くと植物は種を作ることに栄養を使うため、葉の生産が止まってしまい、味も硬く変わってしまいます。
冬場のパクチーは、春に比べて花芽が上がりにくい特徴があります。これは低温により生長点の活動が抑制されるためで、冬栽培の大きなメリットの一つと言えるでしょう。
ただし、冬でも日照条件や温度管理によっては花芽が発生することがあります。特に、暖かい日が続いたり、室内の温度が高すぎたりする場合は注意が必要です。抽苔(とうだち)は高温・長日・乾燥ストレスによって促進されることが研究で明らかになっています。
花芽の見分け方と摘み取り方法
花芽の初期段階では、株の中心部から通常の葉とは異なる細い茎が伸びてきます。この段階で早めに摘み取ることで、株への負担を最小限に抑えることができます。
摘み取り作業は、清潔なハサミやピンセットを使用し、花芽の基部から切り取ります。手で引き抜くと株にダメージを与える可能性があるため、必ず道具を使用することが大切です。
摘み取った若い花芽は、サラダやスープの香り付けに使用することができ、無駄になりません。
花芽の発生を抑制する環境作りとして、適度な低温を維持することが効果的です。室内栽培の場合は、夜間の温度を下げたり、日中でも過度に暖房を効かせすぎないよう注意しましょう。
また、長日条件(日照時間が長い状態)も花芽の発生を促進するため、人工照明を使用する場合は、照射時間を長くしすぎないよう注意が必要です。
パクチーは年に何回収穫できますか?

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パクチーの年間収穫回数は、栽培方法と時期の組み合わせにより2~4回程度可能です。ただし、この回数は地域の気候や栽培目的によって変動することを理解しておきましょう。冬栽培を含めることで、より多くの収穫機会を得ることができます。
具体的な収穫サイクルを説明すると、秋まき(9月)で冬から春にかけて収穫し、春まき(3月)で初夏まで収穫、さらに夏の終わり(8月下旬)にもう一度種をまくことで、年間を通じてパクチーを楽しむことが可能です。
ただし、各時期によって栽培の難易度と収穫量は大きく異なります。冬栽培は害虫が少なく管理しやすい傾向がある反面、成長速度が遅いという特徴があります。
種まき時期 | 収穫期間 | 特徴 | 難易度 |
---|---|---|---|
9月 | 11月~翌4月頃 | 長期収穫可能 | 易 |
3月 | 5月~7月 | 成長が早い | 中 |
8月下旬 | 10月~11月 | 短期集中型 | 難 |
継続収穫のコツ
年間を通じて安定した収穫を得るためには、時期をずらした複数回の種まきが効果的です。フロリダ大学やペンシルベニア州立大学では数週間おきのスクセッション播種が推奨されており、2週間から4週間間隔で少しずつ種をまくことで、収穫時期を分散させ、常に新鮮なパクチーを確保できます。
また、同一株からの継続収穫では、外葉から順次摘み取ることで、中心部の成長を促し、より長期間の収穫が可能になります。一度に大量に収穫するのではなく、必要な分だけ少しずつ収穫することがポイントです。
冬栽培では、春夏に比べて収穫ペースがゆっくりになりますが、その分じっくりと味の濃い葉を楽しむことができます。
冬のパクチー収穫のタイミングと方法

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冬のパクチー収穫では、適切なタイミングでの収穫により品質と収量の両方を向上させることができます。寒い季節特有の成長パターンを理解することが、成功の鍵となります。
冬場の収穫適期は、草丈が15~20cm程度(6~8インチ)になった時点です。イリノイ大学拡張機関では6インチ到達で収穫開始とする指針が示されています。夏場と比べると成長が遅いため、焦らずにじっくりと株が充実するのを待つことが重要です。葉が十分に展開し、色が濃い緑色になった段階で収穫を開始しましょう。
収穫方法については、株ごと抜き取る方法と、外葉から順次摘み取る方法の2通りがあります。長期間収穫を続けたい場合は、外葉摘み取り方式がおすすめです。
外葉摘み取り収穫の手順
外葉摘み取り収穫では、まず株の外側にある大きな葉から順番に収穫します。清潔なハサミを使用し、葉柄の基部から切り取ることで、株へのダメージを最小限に抑えることができます。
一度の収穫では、全体の葉の3分の1程度までに留めることが大切です。あまり多く収穫しすぎると株が弱ってしまい、その後の成長に悪影響を与える可能性があります。
収穫後の管理として、切り口を清潔に保ち、病気の侵入を防ぐことが重要です。また、収穫後2~3日は水やりを控えめにし、株の回復を促しましょう。
冬に収穫したパクチーは、夏場のものより日持ちが良く、イリノイ大学拡張機関によると乾いた葉をゆるく包んで冷蔵保存すれば約1週間新鮮さを保つことができます。
根付きでの収穫を行う場合は、株全体を土ごと掘り起こし、根を洗浄して利用します。根の部分は特に香りが強く、タイ料理などでは重宝される部位です。ただし、根付き収穫を行うと当然ながらその株からの継続収穫はできなくなります。
収穫のタイミングを見極める際は、天候も考慮しましょう。複数の拡張機関が推奨するように、晴れた日の午前中(露が乾いた後)に収穫することで、葉に露が残らず、より良い品質を保つことができます。雨の日や湿度の高い日は避け、株が十分に乾いている状態での収穫を心がけることが大切です。
収穫量の管理と品質保持
冬場の収穫頻度は、株の成長速度に合わせて調整する必要があります。一般的には、2週間から3週間に1回程度の間隔で収穫を行うのが適当です。成長が遅い時期は収穫間隔を延ばし、暖かくなって成長が活発になったら収穫頻度を上げていきます。
収穫したパクチーの保存方法にも注意が必要です。収穫直後は冷水に浸けてシャキッとさせ、その後水気をしっかりと拭き取ってから冷蔵保存します。湿らせたキッチンペーパーで包み、密閉容器に入れることで鮮度を長期間維持できます。
冬のパクチーは葉が厚くなり香りも濃厚になる傾向があるため、少量でも十分に風味を楽しむことができます。
収穫後の株の管理では、適切な追肥を行うことで継続的な収穫が可能になります。ただし、施肥は控えめに行うことが重要です。ユタ州立大学拡張機関やルイジアナ州立大学などでは生育期を通じて1~2回程度の施肥で十分とされており、過度な窒素肥料は風味の低下を招く可能性があるため注意しましょう。
冬のパクチー栽培は、実は夏よりもずっと管理がしやすいんです。害虫が少ない傾向があり、水やりの頻度も少なくて済むので、初心者の方にもおすすめの時期です。ただし、成長がゆっくりなので、焦らず気長に育てることが大切ですね。
総括:パクチーの冬の育て方完全ガイド!寒さ対策から収穫まで
- パクチーは短時間の軽い霜には耐えるが持続的凍結には弱い
- 最適な種まき時期は9月中旬から11月初旬頃
- 発芽適温は13℃から20℃前後で低温期は遅延しやすい
- 株間は栽培目的により5cm~30cmで調整する(葉どり密植~種どり)
- 冬越しにはマルチングやトンネル栽培などの防寒対策が有効
- 水やり頻度は夏場の半分以下に減らし根腐れを防ぐ
- パクチーは直根性で移植を嫌うため根鉢を崩さないよう注意
- 花芽は早期に摘み取ることで葉の収穫期間を延長できる
- 数週間おきのスクセッション播種により継続的な収穫が実現できる
- 冬の収穫適期は草丈15~20cm程度になった時点
- 一度の収穫は全体の3分の1程度に留めることが重要
- 収穫は晴天の午前中(露が乾いた後)に行うことで品質を保持できる
- 冬のパクチーは日持ちが良く冷蔵保存で約1週間保存可能
- 施肥は生育期に1~2回程度で十分で過多は風味低下を招く
- 不織布による防寒では最大3~4℃程度の保護効果が期待できる